ベートーヴェンはロックだ!

みなさん、こんばんは。当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。

今日は、上野の東京文化会館での、2009年東京労音「第九」演奏会に行ってきました。


◆演奏者
指揮:内藤彰
管弦楽:東京ニューシティ管弦楽団
ソリスト:藤谷佳奈枝(ソプラノ)、杣友(そまとも)惠子(アルト)、高橋淳(テノール)、新見準平(バリトン)
合唱:2009東京労音第九合唱団
合唱指揮:鈴木与志一、田中豊輝


◆当日券で念願の第九
そもそも聞きに行こうと思ったのは、昨日テレビでNHK交響楽団の第九を観たのがきっかけでした。
第九を聞くと年の瀬を感じますね。
仕事納めの後になると毎年、「行ってみよう」と思うのですが、その頃には終わっています。
今年も、昨日テレビで観た後にネットで調べると、たいてい今日が最終日でした。
そのうち、一番値段が安いのが上記の楽団だったので、当日券を当てにして行ってみました。


◆ベートーヴェンのオリジナルバージョン
値段が安いから何も期待せずに行ったのですが、演奏前に指揮者が説明をし始めました。
今日演奏する第九は、ベートーヴェンの原案に近いものだと。

私たちが知っている第九は、出版社が楽譜を適当に書き換えたり、高名な指揮者が独自の解釈で演奏したものが、受け継がれてきたものらしいのです。

ところが今日は、オリジナルに忠実なバージョン(ブライドコプフ版)での演奏だと言うのです。


◆ビブラート奏法をしない
違いについても、予め説明してくれました。
代表的なのが、第3楽章でバイオリンはビブラートを使わない、というのと、第4楽章は一定のテンポで演奏することでした。

ビブラートは、バイオリンの弦を押さえる左手の指を左右(上下?)に小刻みに揺らして、音を波立たせる奏法です。
伸ばした音に余韻が加わり、かつ、初めに指で押さえた音程が多少狂っていても、ごまかせます。

しかし、ベートーヴェンの時代にはビブラート奏法がなかったらしいのです。
だから今日は、正確な音程をキープし、右手の弓の技術で、きれいな音を出すというのです。


※開演前の様子・4階席から

◆すげー感動
この第3楽章が、よかったんだよねぇ。ビブラートのかかってない、一直線に伸びる澄んだ美しい響き。
説明のおかげで、なおさら注意して聞いたけど、う~ん、よかった。何度もウルウルきました。

第3楽章では、客席で鼻をすする音が結構聞こえたから、他の多くのお客さんも、感涙にむせび泣いていたハズです!

◆こんな第九、聞いたことない!
もっと驚いたのは、第4楽章。テンポが早くて、盛り上がったまま一気に行きました!

20世紀の(私たちがよく知っている)第九はオリジナルの半分のテンポの箇所が混在しています。

しかし今日は、ベートーヴェンオリジナルの「1分間に84拍」の早さで演奏したんです!

これも説明がなかったら、「なんだコリャ?」というところですが、第4楽章はチェロとコントラバスの速弾き(?)から始まり、冒頭から感動!!

途中のバリトンと男声のみのマーチも、勇壮なること、この上なし!

そして圧巻は、合唱団全員の主旋律(「晴れたる青空~」のところ)と、エンディング!
合唱団の音圧がテンポの早さとの相いまって、音の塊が客席にドーンとぶつかってくるんだから、感動せずにはいられないっ!


◆ベートーヴェンはロックだ
クラシックは、お上品に背筋を正して聞くように思いますが、今日の第九は違いました。
ベートーヴェンのロックンロール。膝を叩いて、首を振り(ヘッドバンギング!?)ながら、ずっと聞いていました。

RainbowのDifficult to cureよりも音圧がすごい、ベートーヴェンの第九。
ベートーヴェンは、魂を揺さぶるハードロックだ!!!!


 ※帰りに見つけた電飾

※参考1:カラヤン指揮の第九(20世紀の第九?)


※参考2:RainbowのDifficult to cure→http://www.youtube.com/watch?v=bCxhRujGpbw
◆今年は、最後まで古い時代を蹴破って飛び出した一年だった
このように新しい第九を聞いて、感じたのは、今年は自分にとって、古い時代を蹴破って、何から何まで新しく始めた一年だったということでした。

それまで全く知らなかった涼宮ハルヒとの出会いから始まって、会社を辞めて新しい生活を始めたし、政権交代もしたし、それにより世の中も昔のやり方から変わってきたし、そして一年の締めくくりに、このベートーヴェン。

こんな一年の終わり方をすると、来年はどんな一年になるのか、考えただけでも、ワクワクしますね。不況なんて、関係ね~ぜ!

では、今年もまだあと数日ありますから、元気出していきましょう。


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