Wednesday, March 31, 2010

繭香と蘭香の英語リーディング講座その9

みなさん、こんにちは。今日もお越しいただいて、ありがとうございます。
今日も「繭香と蘭香の英語リーディング講座」です。
英文が長くなってきましたが、読む目的をしぼって読んでみてください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「みなさん、こんにちは。GaMaC English school, 世界永世師範の萌木繭香です。」
「みなさーん、元気ですかぁ?GaMaC 師範代の萌木蘭香です。」
「ではさっそく始めましょう。」
***
「これまでやってきたことをおさらいします。
英文を上手く読むコツとして、次の3点を心がけましょう。
1.事前情報を仕入れる:語彙や設問、タイトルから事前に内容の情報を入手
2.読む目的を明確にする:設問の答えを見つけることに集中
3.英語のままイメージする:日本語に頼らず、英語のまま理解
今日もこの3つを心がけましょう。」
と黒いゴスロリドレスの繭香が言うのに続いて、白いゴスロリドレスの蘭香が言った。
「それでは、今日も以下のジョークを読んでみましょうね。」
***
◆語彙◆
martini:マティーニ(カクテルの名前)
amaze:驚かせる
What the heck:なんてこった!
I guess:たぶん、おそらく(※辞書的には、「私は~だと推測する、を思いつく」)
might as well make the drink:飲み物でも作った方がよさそうだ
ten-dollar bill:10ドル紙幣
flabbergasted:ちょービックリ
change:お釣り、小銭
Let me try something here:ここで何かしてみよう、ちょっとイタズラしちゃおう
see if ~notice・・・:~が・・・に気づくかどうか見る(知る)
sip:すする
just can’t take it anymore:もう我慢できなくなった
◆設問◆
このバーにゴリラのお客さんが来ないのはなぜだと、ゴリラは考えているか?

タイトル:A gentlemanly gorilla in the bar/バーの紳士的なゴリラ

ここで繭香が割り込んだ。
「語彙と設問から、どんな事前情報を仕入れましたか?」
「あたしは、バーにゴリラが来て、お釣りをごまかされる話のような気がするわ。」
「みなさんは、いかがですか?それでは、設問の答えを探すつもりで、読んでみてください。」

タイトル:A gentlemanly gorilla in the bar/バーの紳士的なゴリラ

       A gorilla goes (into a bar) and orders a martini.
This totally amazes the bartender,
but he thinks
“What the heck,
I guess
I might as well make the drink.”
So he mixes the martini.
He then walks back over to give it to the gorilla,
and the animal is holding (out a ten-dollar bill).
Well, now the bartender is just flabbergasted.
He can’t believe
that a gorilla walked (into his bar),
ordered a martini,
and then actually had a ten-dollar bill to pay (for it).

       So, (in amazement), he takes the ten
and walks (to the cash register) to make the change.
While he’s standing (in front of the cash register)
he stops (for a second) and thinks (to himself),
“Let me try something here
and see
if the gorilla notices anything.”

       So he walks back over (to the gorilla)
and hands him a dollar change.
The gorilla doesn’t say anything,
he just sits there sipping the martini.
(After a few minutes) the bartender just can’t take it anymore.

       “You know,” he says to the gorilla,
“we don’t get too many gorillas (in here).”

       And the gorilla says,
“(At nine dollars a drink) I’m not surprised.”
***
◆大意◆
ゴリラがバーに入ってきて、マティーニを注文した。バーテンは驚いたがマティーニを出すと、ゴリラは10ドル札を差し出すではないか。
驚いたバーテンは、レジの前でちょっと考えた。「いらずらして、ゴリラが気づくか確かめてみよう。」だが、ゴリラは黙ってマティーニをすするばかり。
バーテンは待ち切れなくなって、「ここらではゴリラはあんまり見かけないですよ。」というと、ゴリラは答えた。
「一杯9ドルもするんじゃぁ、(ゴリラを見ないのも)不思議じゃないよ。」
***
「いかがでしたか?設問の答えは『カクテルが一杯9ドルもするから』でした。」
「高すぎるってことね。あるいはバーテンがボッタクるから、なんていうのもいいかもね。」
「さて、この”At nine dollars a drink”のa drinkは一杯につき、という意味です。」

「カクテル一杯9ドルって、高いのかしら?私たちは高校生だからわかんないわ。」と蘭香が言った。
「それがオチになのだから、きっと高いのよ。」
「ふ~ん。で、結局このゴリラの収入源とか素性はわからずじまいだったのね。」
「バーテンさんもそれが聞きたかったのに、ゴリラは予想外の返事をした。そこがこのジョークの面白いところね。」と終始冷静な繭香であった。

「それではこの辺で、今日の講座を終わります。」
「次回もお楽しみに!」
***
「はい、お疲れ様でした。」といつものADが言った。
「だんだん英文が長くなるわね。」、
「まだまだ、長くなる予定みたいよ。最終的にはエッセイだから。」
と二人はいつものように、仲良くおしゃべりしながら収録現場を後にした。
つづく

Tuesday, March 30, 2010

繭香と蘭香の英語リーディング講座その8:事前情報を仕入れてから読もう

みなさん、こんにちは。今日もお越しいただいて、ありがとうございます。
本日二回目の「繭香と蘭香の英語リーディング講座」です。

二人は今回、英文の前にある語彙や設問、タイトルの使い方を説明するらしいですよ。
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「みなさん、こんにちは。GaMaC English school, 世界永世師範の萌木繭香です。」
「みなさーん、元気ですかあ?GaMaC 師範代の萌木蘭香です。」
「ではさっそく始めましょう。」
***
◆語彙◆
sightseeing:観光
marvel:驚く
wondrous:実にすばらしい
get absorbed in:すっかり心を奪われる
so~that・・・:たいへん~なので、・・・する
cliff:断崖
branch:枝
sticking out:突き出た、飛び出した
grab:つかむ
hang:ぶらさがる
Lord:神様
boom:とどろく、声高に言う
all you have to do is:お前がすべきことは~だけじゃ
prove:証明する
faith:信仰
let go:手をはなす
up there:そちらに(天国を意味している)

◆設問◆
神様は助けに来たが、この男はどうしたか?
(別の神様に助けを求めた・助けが間に合わず、天国へ行った)

タイトル:Heaven can help me?/神様は助けてくれる?

       A man is sightseeing (in the mountains)
and is marveling (at the wondrous beauty) (of nature).
(At one point) he gets so absorbed (in the beautiful view)
that he forgets what he is doing
and walks (off a cliff).
As he is falling
he sees a branch sticking out (from the wall) (of the cliff).
He reaches out and manages to grab the branch.
       As he hangs there
he begins to pray,
“Oh Lord, please help me.
I’m losing my strength
and I can’t hold on much longer.
Please, God, please save me.”
       Suddenly the heavens part,
and a voice comes booming down,
“I am the Lord!”
       “Oh, Lord!” cries the man,
“please save me!”
       “I will save you,”
booms the voice.
“All you have to do is prove your faith (in me) (by letting go) (of the branch).”
       The man looks down (at the two-hundred-foot drop) (below him),
thinks (for a moment),
then says,
“Is there anybody else (up there)?”
***
大意:ある男が山登りをし、自然の美しさに目を奪われていると、崖から落ちてしまった。男は崖の壁面から突き出した枝につかまり、神様に助けを求めた。すると空が割れて、「わしが神様じゃ」という声がとどろいた。そして、「お前がすべきことは、枝から手を離すことによって、わしへの信仰を証明するだけじゃ」と神様は言ったが、男は自分の足の下に200フィートあることを確認し、ちょっと考えて、こう言った。「そちらに誰か他の方、いらっしゃいますか?」
***
「いかがでしたか?設問の答えは『別の神様に助けを求めた』でした。」
「面白い!神様の発言がsayじゃなくてboomにだから、空全体が揺れるような、それはそれは偉大なる神様という感じがする。だから、最後の男のセリフがよりいっそうトボけた感じがしたわ。」
「boomは基本的には『ハエなどが羽を鳴らしてブンブン飛ぶ』という意味でよく使われます。音を写した言葉です。ここではブンブンどころか、もっとすごく大きな音の意味でした。」

「ところで、繭香、初めに単語の意味あるでしょ?それとか、タイトルを見ると、読まなくても話の見当がついちゃうんだけど、いいの?」
「もちろんよ。読む前に、どんな話なのか見当をつけるべきなのよ。じゃあ、ふつう蘭香が何かを読むときって、どうしている?」
「どうしてるって?」
「本屋さんやコンビニに行って、売ってる本や雑誌を急に手にとって、無作為にページを開いて読んでる?」
「そんなことしないわ。初めに買う本を決めて行くか、表紙とか題名とか、表紙の帯とかを見て、面白そうなら読むし、そうでなければ別の本を見るわ。」と蘭香が言った。
「じゃぁ、新聞はどう?突然記事から読み始める?」
「新聞も、見出しと写真を見て、興味があるのを読むわ。」

「今、蘭香が言ったように、何かを読むとき、私たちはたいてい、事前情報を仕入れてから読み始めています。事前情報があるから興味を持って読めるし、事前情報によって、自分が読む目的をしぼっているのです。」
そこまで言うと、白いゴスロリ服の蘭香が続けた。
「だから、単語(語彙)とタイトルを使って、次に読む英文の事前情報を仕入れてください。そして設問で読む目的をしぼってください。」

「それではこの辺で、今日の講座を終わります。」
「次回もお楽しみに!」
***
「はい、お疲れ様でした。」といつものADが言った。
黒いゴスロリドレスの繭香が
「本当は知ってたの?」と聞くと、
「知ってたわよ。一応、GaMaC の師範代ですから、えへへ。」と蘭香は笑って答えた。

つづく

繭香と蘭香の英語リーディング講座その7:英語のままイメージしよう

みなさん、こんにちは。今日もお越しいただいて、ありがとうございます。今日も、「繭香(まゆか)と蘭香(らんか)の英語リーディング講座」です。
ちなみに、この二人は「英語速読ウォーズ」の敵役として登場した双子の姉妹で、白と黒のゴスロリ衣装を着ている設定。姉が黒に白のヒラヒラ、妹はその反対の組み合わせ。二人とも白と黒のニーソックスを履き、頭にはドレスと同じ色の大きなリボンということになっています。

それから、昨日からtwitterを始めました。よろしくお願いします。

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「みなさん、こんにちは。GaMaC English school, 世界永世師範の萌木繭香です。」
「みなさーん、元気ですか あ?GaMaC 師範代の萌木蘭香です。」
「ではさっそく始めましょう。」
***
語彙
altitude:高度
emergency chute:緊急用パラシュート
goner.:死にかけている人、助からない人
figure out:わかる、理解する
done for:もうダメ
cup:~をコップのような形にする

英文を読むコツは、読む目的を明確にすることです。設問の答えを見つけることに集中して読んでください。」と繭香が言うと、蘭香が質問した。
「読む目的?英文を読む目的って、訳すことじゃないの?」
何かを読むときは、必ずその文章に自分のほしい情報があるあから読むわけです。日本語なら必ずそうしているはずです。」
「いつもは意識していないけど、読みたいものは確かに何かを知りたいから読むし、読まないものは必要がない、興味がないから読まないもんね。」
「そう。だから英文を読むときも、読む目的、つまり自分のほしい情報を意識してから読み始めるといいと思います。」
「では、下の設問の答えを探すつもりで、でもジョークですから楽しんで読んでください。」

◆設問◆
空中で出会った男がそこまで飛んできた理由として、どのようなものが考えられるか?

タイトル:meeting in the air/空中での出会い

       A man is skydiving,/
enjoying his free-fall,/
when he realizes/
that he has reached the altitude/
where he must open his parachute./
So he pulls on the rip cord,/
but nothing happens./
       “No problem,”/
he says to himself,/
“I still have emergency chute.”/
       So he pulls the rip cord (on his emergency parachute),/
and once again, nothing happens./
Now the man begins to panic./
       “What am I going to do?”/
he thinks./
“I’m a goner.”/
       Just then he sees a man flying up (from the earth) (toward him)./
He can’t figure out/
where this man is coming from/
or what he’s doing,/
but he says (to himself),/
“Maybe he can help me./
If he can’t,/
then I’m done for.”/
       When the man gets close enough (to him),/
the sky diver cups his hands and shouts down,/
“Hey,/
do you know anything (about parachutes?)”/
       The man coming up cups his hands and calls back,/
“No!/
Do you know anything (about gas stove)?”/
***
◆大意◆
スカイダイビングを楽しんでいた男が、パラシュートを開こうとしたがメインも予備も開かない。万事休すと思っていたその時、地上からこちらへ向かって飛んでくる男が見えた。ここまでどうしてやってきたのかはわからなかったが、一縷(いちる)の望みをかけて、その男に「パラシュートについて詳しいか?」と問うと、男は答えた。「わからない!君はガスストーブについて何か知っているか?」
***
「みなさん、いかがでしたか?設問の『空中で出会った男がそこまで飛んできた理由として、どのようなものが考えられるか?』の答えの例としては、『ガスストーブの爆発』が考えられます。」
「ということは、この男の人はガス爆発で飛び上がってきたのね。そのシーンを想像すると面白いわ。」と蘭香が言うと、
「私はWhen the man gets close enough to him, the sky diver cups his hands and shouts down, “Hey, do you know anything about parachutes?”というところが印象的だなぁ。」と黒ゴスは言った。
「どうして?」
「スカイダイバーの姿が浮かんでくるから。下からの暴風にあおられながら、必死に両手をコップのような形にして、口の前に当てて叫んでいるスカイダイバーの映像が浮かんでくるわ。」と繭香が言うと蘭香は、
「へぇ。あたしはこげ茶のヘルメットと黒いゴーグルをして、白いダイビングスーツを着ている人が浮かんだわ。」
「そうね。服装とかの記述がないから、思い浮かべる映像は人それぞれ違うわね。」

「英文を読むときは、なるべく英語のままイメージしてみましょう。すぐには難しいので少しずつで構いません。」
「例えば、Thank you.とか、My name is Ranka.とかは、日本語に訳さなくても意味がわかりますよね。そういうものを少しずつ増やしていけばいいのです。」

続いて繭香が映像化について補足した。
「それから、映像が浮かぶかどうかは、その人の予備知識の量など英語力以外のものに左右されるので、神経質になることもありません。」
「そうね。日本語でも英語でも同じだけど、ハリー・ポッターにしても、読む前に映画を観ていれば建物や登場人物の顔の映像がすぐに浮かぶけど、映画を観ていないと、イメージしにくいもんね。」
「そうそう。映像が鮮明かどうかは予備知識によって変わるし、読んで理解が深まるにつれても変化するので、気にしなくていいです。大事なのは読むときは、なるべく英語のまま読もうとすることです。」

「それでは、この辺で今日はおしまいです。」
「次回もお楽しみに。」
***
「はい、OKです。」といつものようにADが言う。
すると繭香が監督に話しかけた。
「ねぇ、今日は時間があるから、午後にもう一本収録できないかしら?」
「あぁ、結構ですよ。繭香お嬢様。」
「そう。じゃぁ、あとでまたよろしくお願いしますね。」
と言って繭香は会議室を後にした。蘭香もその後を追って出て行った。
つづく

Monday, March 29, 2010

繭香と蘭香の英語リーディング講座その6

みなさん、こんにちは。今日もお越しいただいて、ありがとうございます。今日も、「繭香と蘭香の英語リーディング講座」です。
今日から英文のレイアウトを変えてみました。
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「みなさん、こんにちは。GaMaC English school, 世界永世師範の萌木繭香です。」
「みなさーん、元気ですかあ?GaMaC 師範代の萌木蘭香です。」
「ではさっそく始めましょう。」
***
語彙
entertain:もてなす
gathering:集まり、会合
I have to poop!:うんちでちゃう!
the next time~:今度~するときは
whisper:内緒話をする、ひそひそ話をする
sound asleep:よく寝ている
drowsily reply:眠そうに答える
***
「英文を読む前に設問を出します。英文を読むコツは、読む目的をはっきり持つことです。みなさんは、その答えを探すことを目的として英文を読んでください。」と繭香が淡々と説明する。

設問: もし母の言葉に従うと、ビリーはこの話のあと、どこにうんちをしてしまうでしょうか?

「今日は英文を区切れごとに縦に並べました。各行ごとに読み下していきましょう。」と、今度は蘭香がにこやかに言った。

タイトル:I have to whisper/僕、内緒話があるんだけど

A little boy walks (into the living room)/
where his parents are entertaining a large gathering (of their friends)/
and loudly announces,/
“Mommy, I have to poop!”/
The mother takes the boy (to the bathroom)/
and says,/
“Now, Billy,/
the next time you have to go the bathroom, /
say, ‘Mommy, I have to whisper.’ ”/
“Okay,” says the boy./
That night little Billy wakes up (at three A.M.)/
and goes (into his parents’ bedroom)/
where they are sound asleep./
He goes up (to his mother)/
and says,/
“Mommy, I have to whisper.”/
The mother drowsily replies,/
“I’m too tired now./
Go whisper (in Daddy’s ear).”
***
大意:両親が友人たちをもてなしている席にやってきた息子のビリーは、大声で「うんち出ちゃう!」と言った。母親はビリーに、次から「内緒話があるんだけど」って言ってねと命じる。その晩の午前3時にビリーは両親の寝室にやってきて、「ママ、内緒話があるんだけど」というと、母親は言った。「疲れてるから、パパの耳に内緒話しなさい!」
***
「みなさん、いかがでしたか?設問の答えは、『パパの耳』でした。」と繭香が真面目な口調で答えると、蘭香は大声を挙げた。
「やだー!きったなーい!でもちょーうける。」
「そうね。ジョークのネタには、こういうシモネタも数限りなくあるの。これはまだ可愛らしい方。」
「まぁ、ジョークはうそ、っていうかみんなで笑うための作り話だから、あんまり真面目に考えなくてもいいわね。」
「でも、聞く人によっては嫌がるから、聞くメンバーに対する配慮はやっぱり必要よ。」

「それではこの辺で今日の講座はおしまいです。」
「次回もお楽しみに~!」
***
「はい、お疲れ様でした。」とAD。
「今日のジョークはちょっと嫌ね。」と繭香が言う。
「想像するとおかしいけど、ま、ビリーは小さい子だし、それにジョークだから、いいっていいって。」と蘭香。
このところ、二人は仲が良い。
つづく

Sunday, March 28, 2010

繭香と蘭香の英語リーディング講座その5

みなさん、こんにちは。今日もお越しいただいて、ありがとうございます。
今日も、繭香と蘭香の英語リーディング講座です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「みなさん、こんにちは。GaMaC English school, 世界永世師範の萌木繭香です。」
「みなさーん、元気ですかあ?GaMaC 師範代の萌木蘭香です。」
「ではさっそく始めましょう。」
***
語彙
shake:振る、揺さぶる
this little jerk:このガキ
twist:ねじる、ひねる
tuning peg:(チューニングのための)弦を巻くネジ
brutalize:残酷なことをする
snotty little brat:鼻たれ小僧
won't = will not:どうしても~しない
***
「英文を読む前に設問を出します。英文を読むコツは、読む目的をはっきり持つことです。みなさんは、その答えを探すことを目的として英文を読んでください。」
「英文には区切りを入れておくので、区切れごとに語順通りに読んでくださいね。」
***
設問:カッコ内の正しい方を選びましょう。
「このベーシストは、音程がずれた弦がどれか(わかっている・わからない)。」

A bassist in trouble/困ったベーシスト
       A policeman is walking down the street/ when he sees a man holding a young boy by the shoulders and shaking him violently./ The cop quickly walks up (to them) and says,/ “Hey!/ What’s going on here?”/
       “Well, you see, officer,”/ the man says,/ continuing to shake the boy,/ “I’m a bass player./ I was playing (in that club) right there/ when this little jerk ran in and twisted one (of the tuning pegs) (on my bass!)”/
       “I can see why you’re angry,”/ says the policeman,/ “but is that any reason to brutalize the kid?”/
       The man begins to shake the kid even harder and says,/ “Yeah,/ but the snotty little brat won’t tell me which one!”/

◆大意:警察官が路上で男の子の肩をつかんで揺さぶっている男を見つけた。注意をすると、この男はすぐそばのクラブでベースを弾いているという。で、この子が店に入ってベースのチューニングを狂わせたという。警官はそれが子どもをいたぶる理由かと問うと、男はさらに激しく子どもを揺さぶって、「この鼻たれ小僧がどの弦(を狂わせた)かどうしても言わないんだ!」
***
「いかがでしたか?設問の答えは、このベーシストは、音程がずれた弦がどれか『わからない』、でした。」黒ゴスの繭香がそういうと、白ゴスの蘭香が感想を述べた。
「困ったベーシストね。ふだんどうやってチューニングしてるのかしら。そんなところまで想像を膨らますと、このジョークがいっそうおかしく思えてくるわ。」
「そうね。お店でもちゃんと演奏できてるのか気になるわね。」

「ところでみなさん、今日からは今までより少し長めの英文になります。これからも頑張っていきましょうね。」と蘭香が楽し気に伝えた。
「それでは、このへんで今日の講座を終わります。」
「次回もお楽しみに。」
***
「はい、OKです。」とADの声がする。
ビデオ撮影が終わり、今日も仲良く会議室を後にする双子の姉妹であった。

つづく

Saturday, March 27, 2010

繭香と蘭香の英語リーディング講座その4

みなさん、こんにちは。今日もお越しいただいて、ありがとうございます。

今日も、繭香と蘭香の英語リーディング講座です。
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「みなさん、こんにちは。GaMaC English school, 世界永世師範の萌木繭香です。」
「みなさーん、元気ですかあ?GaMaC 師範代の萌木蘭香です。」
「ではさっそく始めましょう。」

「今日からは形式を少し変えます。英文を読む前に設問を出します。みなさんは、その答えを探すつもりで英文を読んでください。」
「また、英文には区切りを入れておきます。それから、語順通りの訳の代わりに大意を最後に示すので、それで内容を確認してくださいね。」
***
語彙
hold out:差し出す
aspirin:アスピリン、鎮痛薬
until she says:すると妻は言った
Gotcha:よっしゃー!やったー!

設問:
夫は妻のためにあることをし、妻の一言で大喜びします。さて妻は何と言ったのでしょう?
(答えを探すつもりで本文を読みましょう)

タイトル:How well aspirin works!/アスピリンは効くなぁ

       A husband and wife get ready (for bed)./ After they get (in bed)/ the man gets up again, goes (into the bathroom, and comes back (with a glass (of water) and two aspirin)./ He gets (into the bed) and holds out the water and aspirin (to his wife) / until she says,/ “What are those for?”/
       The husband says,/ “They’re for you.”/
       The wife says,/ “Why?/ I don’t have a headache.”/
       The man turns (to her) and says,/ “Gotcha!”/
***
大意:夫と妻はもう寝ようすると、夫は浴室からコップ一杯の水とアスピリンを二錠持ってきて、妻に差し出した。妻が、なによこれ、というと、夫は君のためだよ、と言う。すると妻は、頭なんて痛くないわ、というと、夫は、よっしゃー!と言った。
***
「みなさん、いかがでしたか?設問の答えは”I don’t have a headache.”です。」と黒ゴスが言うと、白ゴスが続けた。
「夫は妻がこう言ったのを聞いて、自分が持ってきたアスピリンが効いたと思って喜んだのね。勘違い系のジョークね。」

「最後のGotchaは(I’ve) got you.の音を写したものです。」
「『よし!』を『よっしゃー!』としたような感じね。でもgotchaとかgot youっていろいろ意味があるんじゃない?」と白ゴスは尋ねた。
「そうね。捕まえた、見つけた、やーい引っかかった、とかね。でも基本は『あなたを得る、ゲットする』だと思う。」
「捕まえた、見つけた、はわかるけど、引っかかった、はどう関係があるの?」
「たぶん、『こっちの思惑通りになったあなたを得た』、ということでしょうね。」
「なるほど、さすがは世界永世師範。今の説明、いいわ。」

「ところで、このオチって、『よっしゃー!』じゃなくて、『やーい、引っかかった』でもいいんじゃい?」と蘭香が質問すると、繭香は、
「それも考えられる。でも、それだと面白くないわ。それより、アスピリンを持ってきただけで、飲んでもないのに妻が頭痛がない、って言ったのを聞いて、よっしゃー!って叫んでいる夫を想像すると面白いじゃない。」
「確かに。それに夫がイタズラやわなを仕掛けたシーンもないしね。」
***
「それではこれで今日の講座を終わります。」
「次回もお楽しみに!」
***
「はい、OKです。」とAD。
「お疲れさま~。」と言って、二人は楽しげに、しゃべりながら会議室を出て行った。
今日は追いかけっこはしていない。

つづく

Friday, March 26, 2010

英語速読ウォーズ:番外編 区切るのは理解するため!

みなさん、いつもありがとうございます。

双子の姉妹の活躍ばかりで、このままだと主役たちが忘れられてしまうので、「英語速読ウォーズ番外編」を投稿します。
みなさんの英語力アップに少しでもお役に立てば幸いです。
***
6月に武道館で行った「ガマキン杯英語リーディングコンテスト・予選大会」以降もミユキと俺とアリサは図書館で英語速読の練習をしている。
と言っても、俺は速読の前段階で、コンテストの試合と同じく語順通りに区切って読む練習だ。

同じ中学からこの高校へ進学したミユキは、小柄でショートカットのかわいい女の子。最近は俺のことを「順くん」と呼ぶようになったけど、なんだかくすぐったいから「ワタル」にしてくれと頼んでいるんだ。

アリサは167センチの長身で、薄紫でキラキラ輝く長い髪をポニーテールにしている。そのせいか、大きな目も顔全体もつり上がっている感じ。でもハーフみたいで超美形だ。転校当初は心を閉ざして、無感情な話し方だったが、今は俺たちと話して笑うようになった。
***
さてと、今日の課題はこれだ。
語彙
Little Red Riding Hood:赤ずきんちゃん
lying:lie, 横になる
burst in:急に押しかける
snarl:うなり声をあげる
train:銃口を向ける
like:(~する)ように

タイトル:The grandma's duties/おばあさんのすべきこと

       Little Red Riding Hood's grandmother is lying in her bed when the wolf bursts in through her door.
       "Give me all your money," he demands, snarling and showing his teeth.
       "Oh, no, you don't," says the grandmother, pulling a revolver out from under the covers and training it on the wolf. "You're going to eat me, like it says in the book!"

設問:今読んだ英文の内容と正しければT、間違いならFを選びましょう。
1.オオカミはおばあさんに金を出せと言った(T/F)
2.おばあさんが銃を出したのは、オオカミに物語通りの要求をさせるためだ(T/F)
答え:1.T  2.T
***
Little Red Riding Hood's grandmother is lying (in her bed)/
赤ずきんちゃんのおばあさんはベッドに寝ていました
when the wolf bursts in (through her door)./
そのときオオカミがドアから突然入ってきました。

ここでミユキが、「whenは『~するとき』が正しいけど、『そしてそのとき』とすると語順通りに読めるわね。」と言った。

"Give me all your money," he demands,/
「金をみなよこしな」とオオカミは要求し、
snarling and showing his teeth./
うなりながら、歯を見せました。

「snarling and showingは、~しながら、というニュアンス。~ingは、進行形の『今まさに~している、~の最中』が基本的な意味。」
と今度はアリサが言う。

"Oh, no, you don't," says the grandmother,/
「オー、ノー。そんなことしないで」とおばあさんは言って、
pulling a revolver out (from under the covers)/
シーツの下からピストルを取り出し、
and training it (on the wolf)./
オオカミに向けました。

「ねぇ、前置詞は名詞とセットになるんだから、from under the coverは、(from under the cover)ではなくて、from(under the cover)じゃないの?」と聞くと、逆にミユキが尋ねてきた。
「区切ったり、カッコに入れる目的はなに?」
「区切ると読みやすくなる。」
「そうよね。目的は『読むこと』あるいは『読めるようになること』よね。ここはどっちで切っても意味は同じ。だから区切り方は気にしない、気にしない。」
「本当は正しい区切り方がわからないんじゃないの?」と鎌をかけると、
「そうよ。でも意味がわかればいいの。そんだけ。」
あっさり肯定したので、文法学者になるわけではないし、読めればいいんだからどっちでもいいか、と俺もひとまず納得した。

"You're going to eat me,/
「あなたは私を食べるのよ。
like it says (in the book!)"/
本にそう書かれているようにね!」

「likeは『~するように』という意味で接続詞。何で接続詞かわかる?」
「後ろがit saysって主語・述語になっているからだと思う。」
「正解。もしlike the storyだったら?」
「後ろが名詞だけだから、likeは前置詞で、(like the story)になって、『物語のように』になるんじゃないカナ。」
「その通り!前置詞か接続詞かは、後ろの形で決まるのよ。」俺の答えが正しかったので、ミユキは嬉しそうに言った。
すると、アリサが残りの説明をした。
「to eat meとin the bookさえわかれば、このオチはわかる。なお補足をすると、sayは本などに『書かれている』という意味。itはYou're going to eat meのことを指している。」
***
「この話は、オオカミが金を出せって言ったら、おばあさんが物語通りに私を食べなさいとオオカミを銃で脅したということなんだね。よく考えると面白いなぁ。」
「そうね。アメリカンジョークって、よく考えて、状況が浮かんでくるととってもおかしいのよね。」
「でもすぐに笑えるようになるには練習が必要。」
「よし、頑張って練習するぞ!」と俺が気合を入れて言うと、ミユキが大笑した。
「ジョークを笑えるように、歯を食いしばって勉強しましたっていうのは、それこそジョークよね!」

その状況を頭で想像して、三人は大笑いした。

繭香と蘭香の英語リーディング講座その3:理解した英文を読み返そう

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

今日も「英語速読ウォーズ」に登場 した、GaMaC English schoolの世界永世師範、萌木繭香(もえぎまゆか)と、師範代の萌木蘭香(らんか)姉妹の、「繭香と蘭香の英語リーディング講座」です。
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「みなさん、こんにちは。GaMac English schoolの世界永世師範、萌木繭香です。」
「みなさ~ん、こんにちはーっ。GaMac English school師範代で白ゴスこと、妹の蘭香でーす。」
「では、さっそく始めましょう。」

◆語彙(ごい):
get concerned:心配になる
on time:時間通りに
driveway:敷地内から公道へ出る私道
should have 過去分詞:するべきだったのに(でも実際にはしてない)
drag:引っ張る

タイトル:A tragedy in a golf course/ゴルフ場の悲劇
       A wife begins to get a little concerned because her husband has not arrived home on time from his regular Saturday afternoon golf game. As the hours pass she becomes more and more worried until at eight o’clock the husband finally pulls into the driveway.
       “What happened?” says the wife. “You should have been home hours ago!”
       “Harry had a heart attack at the third hole,” replies the husband.
       “Oh, that’s terrible!” says the wife.
       “I know,” the husband answers. “All day long it was hit the ball, drag Harry, hit the ball, drag Harry...”

設問:今読んだ英文の内容と正しければT、間違いならFを選びましょう。
*英文を見直さないで答えます
1.妻は夫の帰りが遅いので心配だった (T/F)
2.夫は毎週土曜の午後は、家にいる (T/F)
3.夫はゴルフを中断し、ハリーを病院に運んだ (T/F)
***
◆語順通りの訳例
A wife begins to get a little concerned/
ある妻がちょっと心配し始めた

because her husband has not arrived home (on time) (from his regular Saturday afternoon golf game)./
というのも、夫がいつもの土曜日の午後のゴルフから時間通りに帰宅していないからだった。

As the hours pass/
時間が過ぎるにつれて

she becomes more and more worried/
彼女は心配がふくらみ続けた

until (at eight o’clock) the husband finally pulls (into the driveway)./
が、八時に夫がようやく敷地内に車を入れてきた

“What happened?” says the wife./
「何かあったの?」と妻は言った。

“You should have been home hours ago!”/
「(いつもなら)何時間も前に帰宅すべきだったのに!」

“Harry had a heart attack (at the third hole),” replies the husband./
「ハリーが3番ホールで心臓発作を起こしたんだ」と夫は答えた。

“Oh, that’s terrible!” says the wife./
「まぁ、それはたいへん!」と妻は言った。

“I know,” the husband answers./
「そうだよ。」と夫は返事した。

“All day long it was hit the ball, drag Harry, hit the ball, drag Harry…”/
「一日中ボールを打ってはハリーを引きずり、打っては引きずり・・・。」

***
「正解は1.T 2.F 3.Fでした。いかがでしたか?」いつものように黒ゴスの繭香が言うと、
「今日も勘違い系のオチでした。今日もわかりやすかったのではないでしょうか?」と妹の白ゴス、蘭香が続ける。
「それから、意味がわかった英文は、二度三度読み返しましょう。日本語を思い浮かべないで英語のままイメージする練習です。」
***
「ところで繭香、あたし昨日テレビで映画を観たの。そしたらThat was just a joke.(あれはほんのジョークよ。)っていうセリフがあって、jokeって、『ウソだよ~ん!』みたいなニュアンスで使われるってことがわかったの。」
繭香はやや上の空で答えた。
「そうねぇ。ウソは英語で 'lie' だけど、こっちはネガティブだったり、シリアスな感じだもんね。」

「それで昨日、ジョークは配慮が必要って話したよね。相手に不快な思いをさせるジョークは避けるべきだけど、でもジョークはもともとウソだから、そんなにピリピリする必要もないって思ったの。」とニコニコ顔の蘭香。

それとは対照的に黒のゴスロリ服の姉は、「うーっ・・・。」とうなだれた。
「繭香、どうしたの?」
「昨日ね、相手への配慮ってことで、私、『きついことを平気で言っちゃうタイプ』って言ったでしょ。そしたら中2のとき、『付き合って』って何度も言ってくる男子がいて、あるときその子に『もう近寄らないで。私は英語の練習で忙しいの。あなたと遊んでる暇なんてないの!』って言ったのを思い出したの。ほんとはそんなに嫌いじゃなかったのに・・・。」

「仕方ないよ・・・。あたしもきっとそうしたよ。あたしたちは師範代だから人の何倍も英語の練習しなきゃならなかったもんね。それに失敗や後悔がない人なんていないから。」
「ありがとう・・・グスっ。」 

「それでは、グスっこの辺で、グスっ今日の講座を終わります。グスっ
「次回もお楽しみにね!」
***
「はい、OKです。」、「お疲れさま。」、「繭香ちゃん、ご苦労さん。よかったよ。」とスタッフが口ぐちに言う中で、白ゴスは姉を気遣って、
「ねぇ繭香、アイス食べに行こ!あたしがおごるわ。こないだおじいちゃんがお小遣いくれたの。」。と二枚の千円札を繭香の顔の前で上下に振った。

それを見て黒ゴスは泣き顔から一転、
「あーっ、それ、一枚は私の分でしょ!よこしなさいってバーっ!」

今日も追いかけっこをして二人は会議室を出て行った。

つづく

Thursday, March 25, 2010

繭香と蘭香の英語リーディング講座その2:ジョークは相手への配慮が必要

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

今日も「英語速読ウォーズ」に登場した、GaMaC English schoolの世界永世師範、萌木繭香(もえぎまゆか)と、師範代の萌木蘭香(らんか)姉妹の、「繭香と蘭香の英語リーディング講座」です。

「英語速読ウォーズ」では、英語を語順通りに読む読み方を紹介しました。
連載が終わった今、せっかくだから、もう少しつづけたいと思い始めました。
では、ここからはお二人にお願いします。
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昨日と同じ会議室。「はい、本番いきます!」というADの声が響く。
ビデオカメラを持つ手にも緊張が走る。
「5秒前、4、3」
2と1は指で示し、キューが出た。
繭香が話し始めた。

「みなさん、こんにちは。GaMac English schoolの世界永世師範、萌木繭香です。」
「みなさ~ん、こんにちはーっ。GaMac English school師範代で白ゴスこと、妹の蘭香でーす。」
「では、さっそく始めましょう。」
***
今日の課題:次のジョーク の英文を語順通りに読み、設問で理解度を確認しましょう。

単語:wagon train:幌馬車隊 plain:平原 two lone cavalry soldiers:二人の騎兵
war drums start beating:戦いの太鼓が鳴り始める

タイトル:The secret of drumming:太鼓の音の秘密

       In the old West a wagon train is crossing the plain. As night falls the wagon train forms a circle, and a campfire is lit in the middle. After everyone has gone to sleep two lone cavalry soldiers stand watch over the camp.
       After a while they hear war drums start beating from a nearby Indian village they had passed earlier in the day. The drums get louder and louder.
       Finally one soldier turns to the other and says, “I don’t like the sound of those drums.”
       Suddenly, they hear a cry come from the Indian camp: “IT’S NOT OUR REGULAR DRUMMER.”

設問:今読んだ英文の内容と正しければT、間違いならFを選びましょう。

*英文を見直さないで答えます

1.幌馬車隊は夜中も走り続けた。        (T/F)
2.太鼓の音は幌馬車隊の目的地から聞こえてきた。(T/F)
3.騎兵は太鼓が下手なので嫌がった。      (T/F)

解答が済んだら、設問をヒントに、英文をもう一度読み返しましょう。

「それでは、語順通りに区切って読んだ例を示します。英文は現在形ですが、日本語では過去のように訳します。」

(In the old West) a wagon train is crossing the plain./
昔の西部で、幌馬車隊が平原を横断していた

As night falls/
夜になったので

the wagon train forms a circle,/
幌馬車隊は輪を作り、

and a campfire is lit (in the middle). /
その中央にキャンプファイアが灯された。

After everyone has gone to sleep/
みんなが寝静まったあと、

two lone cavalry soldiers stand watch (over the camp)./
二人の騎兵がキャンプの見張りで立っていた。

(After a while) they hear war drums start beating (from a nearby Indian village)/
しばらくして、彼らは近くのインディアンの村で戦いの太鼓が鳴り始まるのを聞いた

they had passed earlier (in the day). /
そしてそれは、彼ら(幌馬車隊)が昼間に通過したところだった

The drums get louder and louder./
太鼓の音はだんだん大きくなった。

Finally one soldier turns (to the other) and says,
とうとう一人の兵士がもう一人の方を向いて言った

"I don't like the sound (of those drums)."
「俺はあの太鼓の音が好きじゃない」。

Suddenly, they hear a cry come (from the Indian camp):/
突然、彼らはインディアンのキャンプから叫び声がやって来たのを聞いた

"IT'S NOT OUR REGULAR DRUMMER." /
「いつものドラマーじゃないんだ。」
***
「設問の答えは1. F 2. F 3. Fでした。みなさん、いかがでしたか。」
と黒いゴスロリ服の姉がいうと、白ゴスの妹は聞いた。

「今日はどうして時制を変えて訳したの?」

「日本語訳は参考だから、それなら読みやすい方がいいと考え直しました。」

「そうね、それにこの講座の目的は日本語に訳すことではないから、わかりやすい方がいいわね。」
***
「この英文でちょっと難しいのが下の一文です。

(After a while) they hear war drums start beating (from a nearby Indian village)/
しばらくして、彼らは近くのインディアンの村で戦いの太鼓が鳴り始まるのを聞いた
they had passed earlier (in the day). /
そしてそれは、彼ら(幌馬車隊)が昼間に通過したところだった

でも、こうして前置詞と名詞をカッコに入れると語句の切れ目が見えてくると思います。

それから、they had passed earlier (in the day)の前には、関係代名詞が省略されています。
(from a nearby Indian village) which they had passed earlier (in the day).
→(from a nearby Indian village) and they had passed it earlier (in the day).」
***
「今日は英文にタイトルがついてるのね。」と蘭香は言った。

「そうです。タイトルはその文章を端的にまとめているので、内容理解の大きな手助けとなります。必ず見る習慣をつけてください。」

「今日の話は兵士のセリフを勘違いして答えるというオチで、わかりやすかったのではないでしょうか?私は大笑いしちゃったけど、繭香はこういうの好き?」

「とっても面白かったよ。でもこれは人種ネタのジョークに入るから、ジョーク自体悪気はないけど、人によっては不愉快な思いをするかもしれない。」

「これはジョークに限らないけど、人と話すときは相手への配慮が大切ね。繭香は大丈夫?」

「私はきついことを平気で言っちゃうタイプだから、気をつけないとなぁ。」

「そうそう。」という妹の返事に、ちょっとムッとする繭香であった。

「それでは、繭香と蘭香の英語リーディング講座その2を終わります。」

「次回もお楽しみに!」
***
「はい、OKです。」とAD。「お疲れ!」とスタッフの声がする中で、蘭香に向かって繭香は、
「さっきの『そうそう』ってどういう意味よ!」
「あれは・・・、ほら、繭香のそういうところを思い出して『そうそう』って言っただけ。」
「でもなんで本番で言うのよ、まったく!あたしは世界永世師範なんだから、そんなこと言わないでくれる!」
「ひゃぁ、助けて~。」 と走って逃げる妹を、姉は追いかけて会議室を出ていった。

つづく

Wednesday, March 24, 2010

繭香と蘭香の英語リーディング講座その1:ジョークの構造を利用して読解力をつける

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

今日から数回、「英語速読ウォーズ」に登場した、GaMaC English schoolの世界永世師範、萌木繭香(もえぎまゆか)と、師範代の萌木蘭香(らんか)姉妹が、「繭香と蘭香の英語リーディング講座」を開講します。

「英語速読ウォーズ」では、英語を語順通りに読む読み方を紹介しました。
せっかくだから、もう少しつづけたいと思いました。

そこで、黒ゴスと白ゴスの双子にナビゲーターとなってもらうことにしました。
では、ここからはお二人にお願いします。
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とある会議室。細長い造りで、広さは十二畳程度だろう。正面のスクリーンには「繭香と蘭香のの英語リーディング講座」というパワーポイントの画面が表示されている。

その左手に二人の女の子が立っていた。一人はそでやえりに白いヒラヒラの黒いゴスロリドレスを着ていた。肩くらいまでの黒髪には黒い大きなリボンを着けている。

もう一人は反対に黒いヒラヒラがついた白いゴスロリドレスに白いリボン。二人とも白と黒の縞のニーソックスを履いている。二人並ぶとネガ・ポジのようだ。

ビデオカメラのファイダーを通して二人を見ると、顔立ちは小顔で彫りが深く、大きな目、やや高めの鼻。まるで西洋のお人形さんである。
やがて監督のサインが出て、黒い方から話し始めた。

「みなさん、こんにちは。GaMac English schoolの世界永世師範、萌木繭香です。」

「みなさ~ん、こんにちはーっ。GaMac English school師範代で白ゴスこと、妹の蘭香でーす。」

「今日から数回に渡って、英語を語順通りに読む練習をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。」

「この講座では、ジョークやエッセイを取り上げます。どうぞ、楽しんでくださいね!」

「では、さっそく始めましょう。」
***
今日の課題:次のジョーク の英文を語順通りに読み、設問で理解度を確認しましょう。

単語:patient:患者 worse:もっと悪い reach:連絡する

        A doctor calls his patient to give him the results of his test. "I have some bad news and some worse news," says the doctor. The bad news is that you only have 24 hours to live."
        "Oh, no," says the patient. "What could possibly be worse than that?"
        The doctor answers, "I've been trying to reach you since yesterday."

設問:今読んだ英文の内容と正しければT、間違いならFを選びましょう。
*英文を見直さないで、答えます
1.医者は患者によい知らせと悪い知らせを伝えた。  (T/F)
2.医者は昨日から連絡しようとしていた          (T/F)
3.結局、患者の命はまだ24時間ある           (T/F)

解答が済んだら、設問をヒントに、英文をもう一度読み返しましょう。
***
語順通りの訳
A doctor calls his patient to give him the results of his test./
一人のお医者さんが試験結果を伝えるために患者に電話をします

"I have some bad news and some worse news,"/
「悪い知らせと、もっと悪い知らせがあるんだ」

says the doctor./
とお医者さんは言います。

"The bad news is/
「悪い知らせは~です

that you only have 24 hours to live."/
君はあと24時間しか生きられないこと」

"Oh, no,"/
 「なんてこった!」

says the patient. /
と患者は言います。

"What could possibly be worse than that?"
 「いったいどんなことなら、それよりももっと悪くなれるんだ?」

The doctor answers,/
そのお医者さんは答えます。

"I've been trying to reach you since yesterday."
昨日から君に連絡をずっとしようとしていたんだよ。」

***
「解答は 1.F 2T 3.Fです。いかがでしたでしょうか。」

「語順通りに読めましたか?でもこの訳、ギコチないんじゃない?」

「なるべく直訳にしました。今回は動詞が現在形なので、変に感じると思います。でも、「こなれた」訳だと、どの英語とどの日本語が対応しているか、わかりにくくなるので、なるべく直訳にしました。」

「内容を読み取って理解するのが目的だから、訳は参考程度に考えてくださいね。」
***
「さて、今日の話には、ジョークによく使われる表現の応用形があります。蘭香、それはいったいどこかわかる?」

「"I have some bad news and some worse news,"でしょ?」

「その通り。good newsとbad newsはよく使われますが、ここでは、悪い知らせともっと悪い知らせになっています。」

「そして、その『もっと悪い知らせ』がオチになっているのね。」
***
「ジョークは必ず最後にオチがあります。そのオチは、それ以前の内容を覆(くつがえ)したり、間違った帰結を導いたりしたものです。ですから、オチで笑うためには、それ以前の内容をきちんと理解することが大切です。」

「オチだけ注意していても、前の部分がわかってないと、笑えないってことね。」

「そう。ところで蘭香、あなたは英語のジョークって笑える方?」

「ものによるわね。文化的なこと、語彙のこと、時事的なことなど、わからないものはさっぱり分からないわ。特に、オチがわからないとガッカリする。」

「そうね。そこで発想の転換として、こういうのはどうかしら?『英語学習の観点から、ジョークの構造を利用して読解力をつける』」。

「ジョークの構造を利用?どういうこと?」

「オチで笑うには、それ以前の内容理解が必須です。だから、まずは話の展開をしっかりフォローすることに集中するのです。」

「じゃぁ、私みたいな『オチの前までは全部わかったのに・・・。』でもOKということ?」

「そう。何ごとも一歩一歩進むのが大切です。ジョーク理解の第一段階クリアを目指す気持ちで取り組んでみましょう。」

「その結果、オチがわかって笑えたら儲けもの、くらいに考えるのも確かに一つの方法ね。」

「それでは、この辺で、繭香と蘭香の英語リーディング講座その1を終わりたいと思います。」
「次回もお楽しみに!」
***
「はぁ~、終わった。慣れないから、緊張するね。」と黒ゴスが言うと、白ゴスが、
「パワーポイントは、英文と訳が映ったっていう設定でした。そうご理解ください!」とカメラに向かって言って、二人は控え室へ消えていった。

つづく

Tuesday, March 23, 2010

「英語速読ウォーズ」が最後まで書けた理由は?

みなさん、当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

◆「英語速読ウォーズ」が最後まで書けた理由
僕は「英語速読ウォーズ」という小説を連載し、構想から約一週間で書き上げました。
僕は過去に2度ほどトライしたことがあります。15年前と3年前です。しかしいずれも途中で終わりました。
でも今回は最後までたどり着きました。
それには大きく三つ理由があると思います。

1.ゴールから逆算して設計
最後まで書けた最大の理由は、結末を先に考えたことです。
テーマを決めたあと、初めに最終回のシーンを考えました。
その次に、最初のシーンを考えました。
そして、最終回につながるように、ストーリー展開を考えたのです。

つまり、最近のビジネス書にもしばしば書かれるように、「ゴールから逆算」をしたのです。
だから、最後まで書けたのです。

2.登場人物の系図
また、登場人物の系図を作りました。
なぜこれを作ったかというと、つじつまの合う年齢にする必要があったからです。
必要に駆られて作った系図でしたが、これのおかげでまだ見ぬ登場人物が大勢いることが、心のゆとりを生みました。後でつじつま合わせで新キャラを登場させるのではなくて、いるけど出さない、という感じです。

3.ネタの小出し
最後に、ネタの小出しが挙げられます。
ゴールから逆算した設計図があるため、早く次のネタを披露したくなりました。
「英語速読ウォーズ」の第八~十話に(新)と書いてあるのは、なぜかわかりますか?
実は、はじめに書いた第八~十話にネタを盛り込みすぎたため、UPしてから書き直したのです。
もし盛り込み過ぎのバージョンのままだったら、設計図はあるにしても、話が膨らみすぎて、プロローグを入れて19回では終わらなかったのではないかと思います。

◆いろいろなことが学べたよい経験
就職活動をして、結果が来るまでの一週間を有効利用するために、気軽に始めた「英語速読ウォーズ」でしたが、やってみてたくさんのことを学べました。 とてもいい経験でした。

みなさんも、時間があるときに、小説にチャレンジしてはいかがでしょうか?

それでは、また。

読んでくれて、ありがとう!

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

◆英語速読ウォーズを読んでくれてありがとう!
「英語速読ウォーズ」を読んでくれたみなさん、ありがとう!!!
この小説は、思いついてから一週間で書きました。
もともと英語の授業を小説の中でしてみたいと思っていたので、今回それが形になりました。

◆書き上げられて、感動
生まれて初めて最後まで書きあげた小説です。
書き終えた瞬間、熱い感動がありました。
ある意味で、夢が叶ったと言えます。

◆英文の出典について
みなさんもお気づきかと思いますが、第13話:双子の実力から和訳する英文は話が続いています。
早稲田大学法学部の2009年度の入試問題で、出典はジャレッド・ダイアモンドの「銃、病原菌、鉄 」/ Jared Diamond, Guns, Germs and Steel: A Short History of Everybody for the Last 13,000 Yearsです。
また駿台予備校の「早稲田大学の英語」を参考にさせていただきました。


◆決勝戦について
初めは、先鋒戦、中堅戦は予定していませんでした。
たった一行、「ミユキは繭香に負けたが、アリサが蘭香を破り、一勝一敗となった。」と書き、その後で、大将戦でワタルと熊沢の対決を予定していました。
しかし、双子の姉妹は話が進むにつれて、個性が豊かになりはじめました。だから、ミユキ、アリサとの戦いをどうしても書きたくなったのです。それで先鋒戦、中堅も付け加えました。

先鋒戦、中堅戦ともに、敗者が号泣します。壮絶な戦いだったのです。書いているときも、何度読み返しても、グッときます
みなさんは、いかがでしたか?

 ◆試合の「和訳」について
それから、試合の「和訳」ですが、語順通りに区切った訳を書いています。
それは、この小説が、英語を語順通りに読む方法を紹介するものだったからです。
各種試験ではあの訳で得点をもらえるかは保証できませんので、ご注意ください。

◆今後について
今回は予選ですが、やはり本選もどうなるか、知りたいですよね。
また、英語速読については、まだ何も触れていないに等しい状態です。
今回は、リーディングに活用するという視点で文法を取り上げたにすぎません。
ですから、近いうちに、続編を書いてみたいと思います。

◆Keep following your dreams and never give up!
昨日、テレビを見ていたら、鮫に襲われて片腕を失ったハンデを克服した女性プロサーファーの番組がありました。彼女は視聴者に、I want to say to you, "Keep following your dreams and never give up!"というメッセージを発していました。
私もあきらめず、夢を追っていきたいと思います。
みなさんも、頑張ってください! 

 

Monday, March 22, 2010

英語速読ウォーズ:最終回 俺の名はワタル

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。
ついに、最終回です。最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

◆英語速読ウォーズ:最終回 俺の名はワタル
決勝戦 大将戦 次の英文を和訳せよ 残り時間あと40秒
In reality, only for today's affluent First World citizens, who don't actually do the work of raising food themselves, does food production (by remote agribusinesses) mean less physical work, more comfort, freedom from starvation, and longer expected lifetime. Most peasant farmers and herders, who constitute the great majority of the world's actual food producers, aren't necessarily better off than hunter-gatherers.

試合が再開し、新しい解答用紙に訳を書き始める。

(In reality), /
現実には
only for today's affluent First World citizens,/
今日の…
ボキッ。シャープペンの芯が折れた。
カチカチカチ、あれっ!シャー芯がない。やべー、替芯持ってないぞ!
恐怖で全身の毛穴が開いた。

隣でデコッパチは「イヒヒヒヒ」とほくそ笑んでいる。
残り時間は36秒、35秒、34秒・・・。
***
あ~あ、これで万事休すか・・・。
考えてみれば、アリサが転校してきてまだ1ヶ月なのに、いろいろあったなぁ。
英語なんてさっぱりわからなかったのが、今じゃこんな大会の決勝の場にいるし…。
まぁ、よくここまで頑張ったじゃん。

「ワタル!」ミユキの涙声が聞こえる。

ごめんよ、ミユキ。二人で勉強して、楽しかったよ。でも、俺、もう力尽きたよ。

一気に力が抜けた。
魂がスーっと抜けたようだった。
溜まってたものが音もなく抜け出たような、とても心地よい気分になった。
スーっと。スーーーっと。プスーーーーーーっと・・・!?
***
「うぇぇぇ!ゴホッ、臭ぁああああああ!」
絶叫した熊沢が鼻と口に手を当てて、席を立ってふらふらステージ後方まで行くと、そこで力尽き、うずくまってしまった。完全に戦意喪失している。
観衆はざわめいたが、何が起きたのかわからない。
***
「あ~、やっと出た。」
体内に満ちていたガスの放出で我にかえった俺は、熊沢の机のボールペンに目をやると、勢いよくそれをつかみとり、解答用紙に向かった。残り時間はあと30秒。そしてさっき書いたところまでを、一瞬でかき上げた。

(In reality), /
現実には
only for today's affluent First World citizens,/
今日の裕福な第一世界の国民だけが
who don't actually do the work (of raising food) themselves,/
そしてその人たちは、実際には食料生産の仕事を自分でしない人たちだが

また意味不明のdoesにぶつかった。

「onlyが文頭にあるから倒置法でdoesだったんだ。」
アリサをこの大会に誘ったときのことを思い出した。

does food production (by remote agribusinesses) mean less physical work,/
(都会を離れたところでの農業ビジネスによる)食料生産は少ない肉体労働を意味している
more comfort,/
そしてより快適で、
freedom (from starvation,)
飢餓から自由になることと、
and longer expected lifetime./
そして、より長い寿命を(意味している)

「このandはless physical work、more comfort、freedom~、~lifetimeの4つを結んでいる。」
andが出る度にミユキが教えてくれたことが、今、活きているぜ。

Most peasant farmers and herders,/
たいていの小作農や牧畜業者は
who constitute the great majority (of the world's actual food producers),/
そしてそれは世界の事実上の食料生産者の大多数を構成しているが、
aren't necessarily* better off* than hunter-gatherers./
必ずしも、狩猟・採集者よりもいい暮らしをしているとは限らない。
*not necessarily:必ずしも~とは限らない(部分否定)be better off:いっそう暮らしむきがよい

「ふっ、全部書けた。」額の汗を手で払うと同時に試合終了のブザーがなった。

「わー!」場内は割れんばかりの歓声が起きた。

「ワタル!」アリサがステージに駆け登った。あのアリサが笑っている。
「私たち、優勝よ!」ミユキが満面の笑みを浮かべて、俺の手を握りしめた。

舞台の袖で仁王立ちの黒ゴスの繭香は、ステージ上の俺たちをじっと見ている。その隣で白ゴス蘭香が姉の肩に持たれかかって、また泣き崩れている。
繭香は「12月の本大会では、きっと倒してみせる。」と言って、蘭香とともに会場を後にした。
***
場内アナウンスが流れた。
「優勝は青山ミユキさん、池内アリサさん、そして和樽順くんのチームです。おめでとう!みなさん、盛大な拍手を!なお、優勝と準優勝のチームには12月の本大会への出場権が与えられます。」
***
それから一ヶ月が過ぎた。
俺たちは本大会出場権を得たが、それに出るかどうかはまだ決めてない。
でも、英語速読の練習は毎日している。放課後図書室で、ミユキとね。
アリサも週に二、三度参加する。少しずつ心を開くようになって、普通の喋り方をしたり、笑ったりするようになってきた。
それから熊沢は、あの日の翌日から欠席している。熊沢家とは連絡が取れず、一学期末で転校するという噂だ。得体の知れないヤツだった。本当に高校生だったかさえ怪しいけど、今となっては興味がない。
最後に俺だけど、苗字が和樽だったんだ。でも最近ミユキには「順くん」と呼ばれてる。その理由はみなさんのご想像にお任せします。
それじゃぁ、この辺で。図書館で英語速読の練習があるから。

英語速読ウォーズ 第十七話 決勝戦 ガマキン十二神将の狂気

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

◆英語速読ウォーズ 第十七話 決勝戦 ガマキン十二神将の狂気

「熊沢の話を聞いてはだめ。我慢して、3分全部使って一文だけ訳せば勝てる。」
アリサの言葉を聞いて、よし!と気合が入った。
「頑張って。」と目を赤く腫らしたミユキが言う。その横でアリサもうなずく。
俺は決勝の舞台へ上がった。

決勝戦 大将戦 次の英文を和訳せよ 制限時間3分
In reality, only for today's affluent First World citizens, who don't actually do the work of raising food themselves, does food production (by remote agribusinesses) mean less physical work, more comfort, freedom from starvation, and longer expected lifetime. Most peasant farmers and herders, who constitute the great majority of the world's actual food producers, aren't necessarily better off than hunter-gatherers.

さぁ、取りかかるぞと思いきや、「ゴホン、ゴホン。あぁこれは失礼。」と熊沢が早速邪魔をしてくる。
「あっ、君は同じクラスのワタル君ではないか?君も参加してたなんて。奇遇、奇遇。」
うるせェな、こいつ、と腹が立ったが、アリサの「熊沢の話を聞いてはだめ。」を思い出して、英語に集中する。

(In reality), /
現実には
only for today's affluent First World* citizens,/
今日の…
「電子辞書、電子辞書。よし。『今日の裕福な第一世界の国民だけが』」
*First World:第一世界、先進国のことを指す
隣の熊沢が、「高校生には難しい英文だなぁ」とわざと声を出す。
無視して、次の部分に進んだ。

who don't actually do the work (of raising food) themselves,/
そしてその人たちは、実際には食料生産の仕事を自分でしない人たちだが

ここまでは、なかなかいい感じでできるじゃん、とちょっと緊張が解けてきた。

does food production (by remote agribusinesses) mean less physical work,/
「does?なんだこれは?」
次のmean less physical workは『より少ない肉体労働を意味する』 だから、全体の意味はわかる。しかし、doesがわからない。

そう考えていると、消しゴムがコロコロっと俺の足元に転がってきた。
あいつ、わざと消しゴムを床に落としたな。
すると、「拾わなきゃ。」とつぶやいて、熊沢は消しゴムに手を伸ばした。そのとき前かがみになった熊沢は、肩を机の脚に思いっきりぶつけた。「あっ!」。急に机が動いたので、俺はつんのめった。

「これはこれは失礼。謝らなければ。」
熊沢は立ち上がり、俺の方を向くと、ありえないスピードで深々と頭を下げた。
「危ない!」アリサが叫んだ。
熊沢のヘッドバットは俺の机を直撃した。
バキバキバキっ!
天板が真っ二つに割れて、熊沢の頭も、解答用紙も筆記用具も床に吸い込まれていった。
「ギャー!」
この様子を天井から吊るされたスクリーンで見た観衆は、阿鼻叫喚(あびきょうかん)となった。

これには俺も驚いて、椅子から飛び退いた。
血だるまの熊沢はむっくと起き上がり、ひん曲がった銀縁眼鏡を触りながら、
「あぁごめん。君の答案も拾わなきゃ。」と言って、勢いよく解答用紙をつまみ上げた。
ところが、壊れた机の脚の下には挟まっていたもんから、ビリビリビリっと大きな音を立てて、俺の解答用紙も二つにちぎれてしまった。

「あーっ!」と叫ぶ俺。
ニヤリとする血まみれの熊沢。
これがガマキン十二神将の狂気。破壊工作、妨害活動のエリート中のエリート。
***
ここで時計が一旦止まり、スタッフがステージに上がって、机を交換をした。
解答用紙も新しくなった。

熊沢は、駆けつけたドクターに怪我の手当をしてもらっている。銀縁眼鏡はへの字に曲がり、レンズの位置が左右非対称になっている。出血は止まったが、おでこはこんもり腫れあがり、ナポレオンフィッシュのようだった。
***
試合が再開した。

残り時間あと40秒!

まだ何も書けてない!

つづく

Sunday, March 21, 2010

英語速読ウォーズ 第十六話:決勝戦 中堅戦

みなさん、こんにちは。ようこそ、当ブログへ起こしくださいました。ありがとうございます。

◆英語速読ウォーズ 第十六話:決勝戦 中堅戦
アリサと俺は泣き崩れているミユキを両側から支えて、ステージの袖まで連れてきた。
「よくやったよ。相手が世界永世師範だもん、しょうがないさ。」と俺が言うと、アリサがいつもの無感情とは違う話し方をした。
「かなり手強いわね。 でも私が蘭香に絶対に勝ってみせる。」
「アリサちゃん、私の分まで頑張って。」
ミユキの言葉を背に、アリサは登壇した。

アリサは白ゴスの蘭香とは、目を合わせず、机を見ていた。
「さてと、あなたに勝って、早くお家に帰りたいわ。」という蘭香の挑発も聞き流していた。

決勝戦 中堅戦 次の英文を和訳せよ 制限時間3分
It seemed to them that hunter-gatherers had to work hard, were driven by daily quest for food, often close to starvation, lacked such elementary material comforts as soft beds and adequate closing, and died young.

一斉にペンが机をたたき始めた。

It seemed (to them)/
彼らには思えるのだった
that hunter-gatherers had to work hard,/
狩猟・採集民たちは懸命に働かなければならなかったし、
were driven (by daily quest) (for food), /
食料のための日々の探索によって駆り立てられるし、(*日々食料を追い求める必要があり)
often close (to starvation), /
たびたび飢餓状態に近づき、
lacked such elementary material comforts (as* soft beds and adequate clothing), /
柔らかいベッドや適当な衣類のような、生活を快適にする基本的な物質がなく、
 *such~as…:…のような~ *comfort:生活を快適にするもの *material:物質 ここは直訳では上手く訳せない
and died young. /
そして早死するように(思えるのだった)。
***
「ねぇワタル、グスっ、and died youngの、グスっ、andは、グスっ、何を結んでいるか、グスっ、わかった?」、まだべそをかいているミユキがシャックリをしながら、聞いてきた。
「had to work~、were driven~、lacked~、and died~の4つだね。」というと、ミユキはニッコリして
「よくわかったわね。A,B,C,and Dという形式ね。」 と言った。
ミユキの泣き笑いを見て、ほっとした気分になった。
***
アリサと蘭香は同時に手を上げたように見えた。
だが、アリサの所要時間18秒17、一方蘭香は18秒72 ― 勝負はわずか0.6 秒足らずの差でアリサに軍配が上がった。彼女は珍しくガッツポーズをした。

それとは対照的に、白ゴスの蘭香は「うわーーーーーっ!」と大声を上げ、首を左右に大きく振りながら泣きだした。
GaMaC English schoolの名誉ある師範代が敗れた。生徒から敬愛されてやまない師範代が敗れた。
会場からは「らんか、らんか」のコールが起こった。袖にいた繭香がステージに上り、左手で蘭香の頭をなでながら、なだめているようだった。蘭香はうん、うんと数回うなづくと、顔を上げ、マスカラの黒い涙を両手で交互に払い、椅子から立ち上がった。
繭香はいたわるように、蘭香の肩に手を掛けて、一緒にステージを降りていった。
***
「これで一勝一敗の五分。ここまでは計算通り。」
ステージの袖に戻ったアリサは、初登場で緊張している俺に、意外なことを告げた。
「大将戦の相手は答えを書かない。向こうはまだ25秒のアドバンテージがある。大将戦が引き分けでも、このタイム差で優勝できる。だからあなたの邪魔をして、時間切れ引き分け作戦で来る。」
「なんでそう言い切れるんだ?」
「大将戦に出るのはあの男だから。」
と誰かを指しているアリサの人差し指の先に目をやると、ガマキン十二神将、熊沢洋二が立っていた。
アリサは俺に耳打ちして、ある作戦を告げた。
つづく

英語速読ウォーズ:第十五話 決勝戦 先鋒戦

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

◆英語速読ウォーズ:第十五話 決勝戦 先鋒戦
「ただ今より、決勝戦を始めます。」

場内アナウンスが流れると、歓声で武道館が揺れた。繭香と蘭香を応援する大弾幕が二階席から釣り下げられ、ブラスバンドが、高校野球のように、「来ーたぞ、来たぞ、アーラレちゃん♪」と演奏を始め、黄色のポンポンを持ったチアリーダーたちが二階通路を埋め尽くして、踊りだした。

二階席も三階席も下敷き大の白と黒のボードを音楽に合わせてクルクル裏返して、「闘魂!繭香」、「KO!蘭香」などのメッセージを送っている。

「えらくアウェーだなぁ。」と俺はステージの袖で、小刻みに足踏みをしながら独り言をいった。相変わらずお腹の調子がよくない。ガスが溜まっているようで、とても不快な気分だ。
アリサとミユキは遠くの一点を見つめて、集中力を高めているようだった。

ミユキは悲壮感漂う面持ちで、「行ってくる。」と言い残し、ステップをかけ上がり、右側の机に着席した。
隣には、黒ゴスの繭香がすでに座っていた。近くから見ると、顔は彫りが深く、大きな目、そして、真っ白い肌は、本当にヨーロッパのアンティーク人形のようだ。
孫がこんなにかわいいのは、若い頃カエル似だった祖父のガマキンは、今ならハリウッドの俳優たちにありがちな、爬虫類顔の部類ではないかと思う。

その繭香はミユキを見ると、「あなたが相手でも、もう一人が相手でも、私は負けない。」と言った。
ミユキは「その言葉、試合が終わったら、そっくりそのままお返しするわ。」と言い返すや、気持ちが高ぶり、目に涙があふれた。
「涙で文字が読めないんじゃないかしら。」と黒ゴスはミユキの目を見て言い終えると、自分の机に視線を移した。
***
決勝戦 先鋒戦 次の英文を和訳せよ。 制限時間3分
From our modern perspective, all these questions at first seem silly, because the drawbacks of being a hunter-gatherer appear so obvious. Scientists used to quote a phrase of Thomas Hobbes's in order to characterize the life-style of hunter-gatherers as as "nasty, brutish and short."

水を打ったように静まった武道館に、カツカツカツ、とペン先が机に当たる音だけが響き渡る。

(From our modern perspective),/
我々の現代的視点から、
all these questions (at first) seem silly,/
こうしたすべての質問は、最初は馬鹿げているように思える。
because the drawbacks of being a hunter-gatherer appear so obvious./
なぜなら、・・・
「やばい、drawbackはどう訳せばいいかわからない。」ミユキは電子辞書でサッと調べた。
drawback:欠点、不利益、障害

「わかった。『なぜなら、狩猟・採集民になる欠点はとても明白に見えるからだ。』だわ」。

Scientists used to* quote a phrase (of Thomas Hobbes's)/
科学者たちはトマス・ホッブズのフレーズをよく引用したものだった。
*used to~:(昔は)よく~したものだった
in order to characterize the life-style (of hunter-gatherers)/
狩猟・採集民の生活習慣を描くために
as "nasty, brutish and short."/
「あ~ん、3つともマイナス評価の意味だけど、日本語訳に自信がない。」ミユキは素早く電子辞書で調べて、訳を書いた。
「『汚く、野蛮で、不足がち』として」
*as~:~として characterize…as~で、…を~として描く、述べる
ミユキは手を上げた。タイムは50秒。二度の辞書引きがタイムロスとなった。
繭香は辞書を引かなかったので、24秒で終えていた。

机に両肘を立てて、紅潮した顔を両手で覆っているミユキ。繭香は席を立ち、激しく落胆しているミユキを見下ろして、
「あなたが調べた単語は確かに難しい。でもこれは勝負だから、あなたの負けよ。」と言ってステージから降りていった。

冷たい静けさの中、ミユキの嗚咽(おえつ)だけが聞こえた。

先鋒戦のタイム差は26秒。

つづく

Saturday, March 20, 2010

英語速読ウォーズをよろしくお願いします

みなさん、いつもありがとうございます。
友だちに勧められ、それでは時間つぶしにと、書き始めた英語速読ウォーズですが、もうすぐ最終回です。

はじめは英語の読み方の解説を、小説調にして行うつもりでした。
しかし、それではストーリーがおろそかになるので、今度はストーリーを重視するようになりました。

そんな折、昨晩、福田和也の超実践的「文章教室」と、清水義範著「大人のための文章教室」を買って読みました。

頭を砂がギッシリ詰まったビール瓶でぶん殴られた気分でした。自分が今まで書いてきた文章では、小説でもなければ、他人にも伝わらないことを痛感しました。

そこで、今日3月20日以降に投稿したものは、自分でできる範囲の拙いものですが、小説らしく「描写」を細かく、豊かに表現してみたつもりです。

これまでお読みくださった皆様には、いい続編が提供できるように、精進したいと思います。
あと数回ですが、どうぞ、よろしくお願いいたしします。

英語速読ウォーズ:第十四話 孫たちの闘い

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。
英語速読ウォーズの続きです。

◆英語速読ウォーズ:第十四話 孫たちの闘い
~これまでの話~
高校生のワタルとミユキは、転校生で英語の達人のアリサとともに、英語コンテストに出場し、準決勝まで駒を進めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
二回戦が終わると、15分の休憩となった。お揃いの赤い野球帽と、白字で大きく"GaMaC"と書かれた黒いTシャツ姿の大会スタッフがアリーナに散らばり、机と椅子を折りたたんで、大きな台車に積んで外へ運び出した。パーテーションも片付けられた。

あっという間にがらんとしたアリーナに、高さ60センチで畳大の台が敷き詰められ、広い武道館の中央に5メートル四方のステージが出現した。
ステージ上には、二組の机と椅子が、正面を向いて30センチ間隔で並んでいる。

両端が舞台袖になるようパーテーションが置かれ、そこから二段のステップでステージに上がれる仕組みだった。
準決勝、決勝はここで一対一ずつで争われる。
***
準決勝も一、二回戦同様に、俺たちはアリサとミユキ、向こうは繭香と蘭香がいとも簡単に2勝を挙げて決勝進出を決めた。
結局、この4人の実力が抜きん出ていたのだった。10000人弱がエントリーしたこの大会、大半は主催者のGaMaC English school生、通称ガマ生である。といっても彼らは英語学習者。さまざまな年齢、職業で、中には英語の先生や翻訳家、通訳者、ハーフ、帰国子女、ネイティブ,etc.もおり、しのぎを削るハズだった。
しかし、いざ蓋を開けてみれば、英語教育ビジネス界のトップに君臨するガマキン一族の孫と、いわば英語速読宗家の孫たちの一騎打ちだったのである。
***
決勝戦が始まるまで15分の休憩があった。俺たちは三階席の外の廊下にあるベンチで、決勝の作戦を練っていた。
三人の真ん中に座っているアリサが、俺のためにゴスロリ姉妹について話してくれた。

「繭香と蘭香は、ガマキンの次女の娘。次女はガマキンの右腕ともいうべき男と結婚し、ふたりが生まれた。
母親は二人に、体内にいるときから胎教で、ガマキン英語速読術を始めて、繭香は14歳のときにガマキン世界永世師範の称号を得た。」

「ガマキン世界永世師範は、ガマキン英語速読術を修了したものだけに与えられる師範代の中でも、特に傑出した力量の者にしか与えられない称号。これまで世界永世師範に上り詰めた者は、ガマキン以外には繭香しかいない。」

アリサの右側に座っているミユキが補足した。
「ふつうは師範代になるだけでも15年から20年かかると言われているのに、二人は10歳で師範代になってしまったの。二人はその後も精進したけど、蘭香はまだ世界永世師範になってないわ。それに最近英語への関心が少し薄れて、稽古もややおろそかになっているらしいのよ。」

「ふ~ん。やっぱり普通の高校生みたいにファッションとか、恋愛とかに興味があるんだろうな。それとも蘭香だけにアイドルを目指しているのかな?」 といって空気を変えようとした俺の試みは完全に無視された。

ミユキはベンチから立ち上がり、右手をアリサの左の肩にのせ、真剣な面持ちで、でもはっきりと言った。
「私が繭香と戦うわ。今は誰が相手になっても繭香には勝てない。たぶんアリサちゃんでも勝てない。もしアリサちゃんが繭香と、私が蘭香と戦えば、二連敗の可能性がある。
でも蘭香には隙がある。アリサちゃんなら蘭香に絶対に勝てる。そうすれば、一勝一敗になる。」

アリサは自分の足元に視線をやった。
いい作戦だが、隙があるといっても蘭香は師範代。そう簡単には勝てないと考えているんだろうか。ミユキだって蘭香に勝つ自信はあるのかもしれないけど、チームの勝利を優先して、確実性の高い方を提案したに違いない。あぁ、なんてこの二人は純粋なんだ、と俺の中に熱いものがこみ上げてきた。

しかしその時、大事なことに気づいてハッとした。同時に、アリサとミユキの熱い視線がこちらに向けられているのにも気がついた。
二人はゆっくりだが、自分たちの想いのすべてを載せた、低いトーンの声を同時に発した。

「私たちの運命は、あなたにかかっている。」

つづく

英語速読ウォーズ 第十三話 双子の実力

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

英語速読ウォーズの続きです。

◆英語速読ウォーズ 第十三話 双子の実力

いよいよ二回戦だ。
一回戦を勝ち抜いたのは64チーム。それが16チームごとに分かれて、AからDの各ブロックに集合し、試合開始を待っていた。
各ブロックで一位になれば、ベスト4に進める。どのチームもものすごい気合いを発していた。
参加者は9割方がGaMaC English schoolの生徒、ガマ生だが、高校生以上ならば誰でも出場権があるので、年齢、職業も多種多様だった。

俺たちはAブロックで、一回戦同様に、先鋒アリサ、中堅ミユキがそれぞれ16人中で一位となり、俺が戦うことなく、ベスト4進出を決めた。

同じ頃、Dブロックでは、ガマキンの孫のゴスロリ姉妹が登場した。

二回戦 先鋒戦 次の英文を和訳せよ 制限時間3分
Formerly, all people on earth were hunter-gatherers. Why did any of them adopt food production at all? Given that they must have had some reason, why did they do so around 8,500 B.C. in Mediterranean habitats of the Fertile Crescent?

先鋒は、双児の姉で黒ゴス服の、繭香(まゆか)だった。
問題の英文を見ると、人を馬鹿にするものいい加減にして、とでも言いたげに、ふっと冷笑するや、口を真一文字に結び、ややゆっくりと眼を二度三度まばたきさせた。
次の瞬間この黒ゴス人形は、まるで鬼がのり移ったかの如く、背中から頭にかけて真っ赤なオーラをパーッと出し、目にも留まらぬ早技で、ペンをシュルシュル動かした。

Formerly, all people on earth were hunter-gatherers. /
昔、地球上の人々はみな狩猟・採集民だった。
Why did any* of them adopt food production at all*?/
いったいなぜその一部が食糧生産を始めたのだろうか?
*any=someが疑問文なのでanyとなっている at all=強調で、「いったい全体」
Given that* they must have had* some reason,/
仮に理由があったに違いないとすると、
*Given that~ = If~「仮に~とすると」 *must have過去分詞 = ~したに違いない
why did they do so* around 8,500 B.C./
なぜ紀元前8500年ごろにそうし始めたのだろうか
(in Mediterranean habitats*) (of the Fertile Crescent)?/
肥沃な三日月地帯の地中海性気候の地で?
*do so=adopt food production *habitat=生息地、居住環境
訳を書き終え、再びお人形さんに戻った繭香はそっと右の手を上げて、「終わりました」とつぶやいた。
開始からわずか10数秒。もちろん、Dブロックのトップである。

続いて中堅戦。
今度は、白ゴス衣装の妹、蘭香(らんか)の登場だ。

二回戦 中堅戦 次の英文を和訳せよ 制限時間3分
Why was it not until 3,000 years later that they did so in the climatically and structurally similar Mediterranean habitats of southwestern Europe? Why did even people of the Fertile Crescent wait until 8,500 B.C., instead of becoming food producers already around 18,500 or 28,500 B.C.?

白ゴス蘭香は、問題を一瞥(いちべつ)するや、「えへっ、簡単ね。」と言って、ピンと背筋を伸ばした。すると、右手と黒い万年筆が社交ダンスを踊る男女ペアに早変わりし、解答用紙の上を優雅に舞い始めた。

Why was it not until 3,000 years later/
どうして、もうあと3000年経つまで
that they did so*/
彼らはそうしなかったの
*it is not until A that B = 「Aになって初めてBする」が正しいが、本文では直訳した
(in the climatically and structurally similar Mediterranean habitats) (of southwestern Europe?)/
南西ヨーロッパの、気候的、構造的にも似た地中海性気候の地で?
Why did even people (of the Fertile Crescent) wait (until 8,500 B.C.),/
どうして肥沃な三日月地帯の人たちであっても、紀元前8500年まで待ったのかしら
(instead of becoming food producers) already (around 18,500 or 28,500 B.C.)?/
紀元前18,500年や28,500年ごろには、もう食糧生産者になっているのではなくて?

「ふーぅ。おしまい。」。肩で大きく息ついてから、蘭香はサッと手を上げた。
舞踏会はたった20数秒で閉幕した。

ゴスロリ姉妹は、他を圧倒し、準決勝進出を決めた。
***
試合後、繭香が蘭香に言った。
「あなたの訳はあの論説文には、合わないわ。」
「いいじゃない。あたしはあたしらしく楽しんでんの!」
「だからあなたは私には勝てない。」
「繭香は厳しすぎ!」。蘭香は踵(きびす)を返して歩き出し、やがて人ごみに消えていった。
「蘭香・・・。」
姉の黒ゴスは寂しげにつぶやいた。

つづく

英文出典:早稲田大学法学部2009年度/Adopted from Jared Diamond, Guns, Germs and Steel: A Short History of Everybody for the Last 13,000 Years (1998) なお、ブログ筆者により、一部改変してあります

Friday, March 19, 2010

涼宮ハルヒの憂鬱:超パノラマカバーは凄い!

みなさん、こんばんは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

◆涼宮ハルヒの憂鬱の超パノラマカバーは凄い!
http://www.kadokawa.co.jp/fair/201001-03/
涼宮ハルヒの憂鬱の小説のカバーが超パノラマカバーになりました。
私は正直言って、凄い!と思います。

理由は2つ。
1.商品の中身は変えず、見せ方を変えただけで、違った商品に見えてしまい、購買意欲をそそる。
2.背表紙がパノラマになるのは、今までもあったが、表紙がパノラマになるのは初めて見た。これも、ほんのちょっとの発想の転換。

「不況だ」、「モノが売れない」、と嘆くのは人間としてごく正常な行為。でも、諦めないで、ちょっと見方を変えれば、こんな新発想ができる。これは素晴らしいことだと思います。

また、角川は儲けようとしてこんな小細工して、と批判的な方もいらっしゃるでしょう。
言いたいことはわからないでもないが、でも私は儲けようとして考え抜いた成果だと、評価します。

というのは、全巻読んだけど、また全巻揃えたくなるほど、いい出来栄えだからです。

いいものは、心を打つのです。

英語速読ウォーズ 第十二話 ゴスロリ姉妹

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

英語速読ウォーズの続きです。

◆英語速読ウォーズ 第十二話 ゴスロリ姉妹

とうとう大会当日となった。
俺は昨日から緊張のため、お腹の調子が悪い。口は達者だがホントは気が小さいのかもしれないな。
そんなことを考えながら、ミユキとアリサといっしょに、GaMaC English school主催、GaMa-King杯リーディングコンテスト予選大会が行われる東京・九段の日本武道館へ向かっていた。
休日だが、3人とも高校の制服を着ていた。制服といっても都立だから、女子二人は半袖の白いブラウスに紺のミニスカート、俺は半袖の白シャツに黒いスラックスと何の変哲もない格好だ。

都営新宿線の九段下駅から武道館までは、息もできないくらいの人の波だった。さすがは参加チーム数3,200、総勢10,000人弱の大会だ。

俺たちは館内に入った。広いはずの武道館がGaMaC English schoolの生徒、つまり「ガマ生」で小さく見えた。大勢の熱気で、身体が汗ばんでくる。
俺たちはやっとで見つけた三階席の通路側の一番奥の席にひとまず着席した。上から一階に目をやると、アリーナはパーテーションで4ブロックに仕切られて、机と椅子がそれぞれ50脚並べられていた。その回りには赤いキャップに黒いTシャツの運営スタッフや、参加者でごった返していた。
一、二、三階席もガマ生とその家族やらなんやらで、びっしり埋まっていた。

すると、向かい側の二階席の階段口から一階へ降りて行く二人の小柄な女の子が視界に入った。後ろ姿が一瞬見えたに過ぎないが、とても印象的だった。
二人とも白と黒の縞のニーソックスで、一人は黒地に白いヒラヒラ、もう一人は反対に、白地に黒いヒラヒラがついたゴスロリドレスを着ていた。黒と白の大きなリボンをつけた二人の黒髪は、武道館の照明を受けて、キラッと七色に反射した。

あんな子も来てるんだなぁと思ったが、持ってきた英語の参考書を見ているうちに、その子たちのことはすぐに忘れてしまった。
***
しばらくすると、開会のアナウンスに続いて、ルール説明が始まった。
「一回戦は全部で16試合です。A~Dの各ブロックで、一度に50チームずつが競い合います。各チーム、先鋒戦・中堅戦・大将戦の順で、英文和訳のタイムトライアルを行い、3名の合計タイムが一位のチームが二回戦へ進めます。
なお、先鋒戦・中堅戦ともに、同一チームのメンバーが50名中のトップの場合は、その時点でそのチームの勝ちとします。
それでは10分後に一回戦を開始します。一回戦第一試合に参加する200チームは、アリーナの該当ブロックに集まってください。」

俺たちはAブロック第六試合に出た。アリサを先鋒、ミユキを中堅にして、先に2勝する作戦が功を奏し、見事に二回戦進出を決めた。
 ***
3時間くらいかかってようやく一回戦全16試合が終わり、一時間の昼休憩となった。
人でごった返す館内を出て、北の丸公園の芝生にシートを広げると、
「私、いろいろ作ってきたから、みんなで食べましょう。」 と言ってミユキはサンドイッチやサラダや玉子焼きが入ったお弁当をカバンから取り出した。
「私も少し作ってきた。」と珍しく照れくさそうに言いながら、アリサもお弁当を広げた。
意外だなぁ、と思いつつも、こんな肝心なときにお腹の調子が悪く、少ししか食べられない俺はなんてツキがないんだろう。それでも三人は束の間のピクニック気分を味わった。

昼食後、お腹の調子がイマイチな俺は、シートに寝転んでいると、アリサの声が聞こえた。
「ミユキは見た?」
「ええ、Dブロックの第九試合、秒殺で二勝したわ。」

何の話かと思っていると、ミユキが
「ワタルも見たでしょ?白と黒の・・・。」と言うと、
アリサが続けた。
「ゴスロリ」。

「あぁ、見た見た。会場でひと際目立ってたあのお人形さんみたいな子たちだろ。」
「あれは双子の姉妹。黒いドレスが萌木繭香(もえぎ・まゆか)、白い方が蘭香(らんか)。」
「へぇ、知り合いか。じゃぁ今度紹介してくれない?」と俺がのん気に言うと、二人は口を揃えて言った。

「あれはガマキンの孫」

つづく

英語速読ウォーズ:第十一話 接続詞、関係代名詞で区切って単文にする

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。
英語速読ウォーズの続きです。

◆英語速読ウォーズ:第十一話 接続詞、関係代名詞で区切って単文にする
~これまでの話~
高校生のワタルはミユキととも に、転校生のアリサをガマキン杯英語コンテストに参加するよう誘ったところ、アリサはガマキンやミユキとの関係を明かした。そして、参加も了承した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今日もミユキと図書室で放課後特訓だ。
「今日は前回、前々回の英文の残りの部分をまとめて読んでみよう。」
ミユキとアリサがいとこ同士と知ってから、ミユキもなかなかの美形であるように思えてきた。
いろいろな妄想が脳裏を駆け巡ったが、ミユキが渡した英文を見て、俺は現実世界に連れ戻された。

We have all heard people say that they cannot learn something until they have seen it. Such learners fall into the group called 'visual' learners. Other learners, who may be called 'aural' learners, seem to need only to hear something once or twice before they know it. Some learners feel compelled to memorize and will practise and practise until they have committed new information to memory, before they feel comfortable that they have a grasp of it.
出典:上智大学の英語 小貝勝俊 編著 教学社 ※一部改変

「えっ!こんなにあるの!」と俺は絶句したが、ミユキは至って冷静に、
「区切ればいいのよ。接続詞と関係代名詞の前で区切れば短くなるわよ。」
接続詞と関係代名詞の前で区切ればいいんだな。」
「あとは、必要なら、前置詞+名詞をカッコに入れれば、わかりやすくなるでしょ。」
「よし、じゃぁやってみる。」といって、俺は作業を始めた。

We have all heard people say /私たちは人々が言っているのを誰でも聞いたことがある
that they cannot learn something/彼らは何かを学習することができない
until they have seen it./彼らがそれを見るまでは。
Such learners fall (into the group) called 'visual' learners. /そうした学習者は「視覚」学習者と呼ばれるグループに入る

区切れば読めるぞ。自信が湧いてきた。

Other learners, /他の学習者は、
who may be called 'aural' learners,/そしてそれは「聴覚」学習者と呼ばれてもいいけど
seem to need only to hear something once or twice/・・・。
「ここわかんない。」
「なら、不定詞もカッコに入れてみれば区切れ目がわかるんじゃない?」

seem (to need) only (to hear something) once or twice/
「必要なようだ、何かを聞くことだけを 一度か二度・・・。わかった、一度か二度何かを聞くだけの必要しかないようだ。」
before they know it. /それを知る前に。

「新しいことを一、二度聞いただけで覚えるってことよ。」ミユキがフォローしてくれた。

Some learners feel compelled to memorize/何人かの学習者は・・・
「compelを辞書で見たら、これとほぼ同じ例文の、feel compelled to donate blood:献血をしなくてはならない強い義務を感じる、があるから、ここは、『何人かの学習者は、覚えなければならないと強い義務を感じる』だな。」

and will practise and practise/そして練習に練習を重ねるだろう
until they have committed new information to memory*,/彼らが新しい情報を記憶するまで
before they feel comfortable/彼らが心地よくなる前に(つまり、心地よくなるまで)
that they have a grasp of it./彼らがそれを理解して
*commit ~to memory:~を記憶する、暗記する
「ふ~っ、読み終わったぞ。まだ慣れないから、時間がかかるけど、区切って読めば確かに読みやすいな。」
「そうね。それも接続詞と関係代名詞で区切ってみる。そうすると、切った部分が単文になるから、わかりやすいのよ。
単文?
「そう。単文は主語と述語が一組しかない文。関係代名詞や接続詞がある長い文は複文と言って、主語・述語が複数あるのよ。それに不定詞や分詞があると、余計ややこしくなる。だから、関係代名詞と接続詞の前で区切って、単文にすればわかりやすくなるわよ。」

◆まとめ
①接続詞と関係代名詞の前で区切ると、区切った部分が単文になるから読みやすい
②単文は主語・述語が一組しかない文

「でも、前回学習したように、andで区切るときは、何と何を結んでいるか考えてね。」
「短期間だけど、だいぶ英語がわかってきて、面白くなったよ。ありがとう、ミユキ。」
そういうと、ミユキの顔がポっと赤くなった。
「ガマキン杯、頑張りましょうね。」

しかし、本番はこんな平和なムードではなかった。

つづく

英語速読ウォーズ:(新)第十話 語順通りに読む練習 andの復習

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。
英語速読ウォーズの続きです。

◆英語速読ウォーズ:(新)第十話 語順通りに読む練習 andの復習
~これまでの話~
高校生のワタルはミユキとともに、転校生のアリサをガマキン杯英語コンテストに参加するよう誘ったところ、アリサはガマキンやミユキとの関係を明かした。そして、参加も了承した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

アリサがガマキン杯に参加することになり、俺はふたりのレベルに少しでも追いつけるように、ミユキに英文を語順通りに読むやり方を毎日教わっている。

放課後の学校の図書室には俺たちふたりしかいない。
ミユキがルーズリーフに英文を書いた。

This research suggests that different learners approach a task with a different set of skills and preferred strategies.

俺はすぐさま、作業する。
「前置詞はwithとofがあるから、
This research suggests that different learners approach a task (with a different set) (of skills) and preferred strategies.

それで適当なかたまりごとに、意味を取ると、

This research suggests that/この研究はthat以下を示している
different learners approach a task/別々の学習者は問題に取り組む
(with a different set) (of skills)/スキルの別のセットで
and preferred strategies./そして戦略が好きだった
あれ、意味がわからないぞ。」

「ワタル、andは何と何を結ぶんだっけ?」とミユキが尋ねた。
andは文法的にも意味的にも対等なものを結ぶ・・・。そうか、approach and preferredとすると、動詞の時制がズレる。だから おかしいのか。」

「じゃぁ、意味的にも対等という点から考えてみて。」

「意味的に対等?待てよ。まず、『この研究が示しているのは、別々の学習者は問題に取り組んでいる』ということだよな。」
「どうやって取り組んでるの?」
「あぁそうか。 with a different set of skills、違うセットのスキル、つまり『異なったスキル』と、preferred strategies、『好きな戦略』で、ということか。」

「そう、その通り。andはa different set of skillsとpreferred strategiesを結んでいるのよ。skillはテクニックとか技でしょ。strategyは戦略とか作戦。それをwith、用いて、ということ。つまり、それぞれの人がそれぞれの技術と好きなやり方で問題に取り組んでいるわけね。」

「そういうふうに考えればいいのか。andの復習になったよ。」
俺は、英語がますます面白くなってきた。

つづく

Thursday, March 18, 2010

英語速読ウォーズ:(新)第九話 アリサとミユキの秘密

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。
英語速読ウォーズの続きです。

◆英語速読ウォーズ:(新)第九話 アリサとミユキの秘密
~これまでの話~
高校生のワタルは、転校してきた英語の 達人アリサに英語コンテストの参加メンバーになってくれと頼むと、アリサは自分の一族とガマキンとの関係を語った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日の放課後、俺はアリサに校門の側の自転車置き場に来てもらった。
ミユキは直談判するために、そこで待っていた。
アリサを見ると、ミユキは意外なことを言い出した。

「アリサちゃん。こうして話すのは何年ぶりかしら。お兄ちゃんから聞いてたの。ガマキンたちから逃げるために、別の高校に入学してすぐここへ転校するって作戦をね。」
「そう。」
「お兄ちゃん、アリサちゃんのパパの若いときの写真とそっくりだよ。」

二人の顔を交互にしげしげと見ながら、俺は聞いてみた。
「お前たち二人って、ひょっとして知り合い?」
すると、ミユキが説明し始めた。

「そうよ。それもずっと昔からの知り合い。
私のパパとアリサちゃんのパパは兄弟弟子で、ガマキンたちと最後まで戦ったの。そして私のママはアリサちゃんのパパの妹、つまりアリサちゃんの叔母さん。」
あまりの新事実に、俺は目も口も大きく見開き、後ろにのけぞった。
「えーっ!お前たちっていとこ同士かよっ!」
「そう。そして私の家族が離散したとき、二番目の兄はミユキの両親に預けられた。」

アリサの後をミユキが続けた。
「アリサちゃんは伯母さんといっしょに10年くらい前、一回だけ家(うち)に来た。伯母さんはときどきお兄ちゃんに手紙を書いていたの。それでアリサちゃんが転校してくることを知って、私はここに入学したの。」
複雑な事情があったんだなぁと関心していると、アリサが話し始めた。

「でも、ガマキンたちは私の居所を常にマークしていて、転校の情報も知っていた。だから、この学校にも追っ手が潜入している。」
「おい、冗談だろ?ここはただの都立高校だぜ。」
「熊沢洋二。ガマキン十二神将の一人。」
十二神将?何を言っているんだろう、このふたりは?熊沢って、ただの銀縁眼鏡野郎じゃないか。

「GaMaC English schoolの8億人の生徒のうち、少なとも5000万人は殺戮部隊に所属する。そのエリート中のエリート12人をガマキン十二神将と呼んでいる。熊沢は、我々に対してさまざまな破壊工作や妨害活動をしてくると予想できる。」

「ねぇアリサちゃん、ガマキン杯に一緒に参加して。そして勝ってこの状況を変えましょう。ね、お願い。」
ミユキの真摯な思いにほだされて、俺もつい言ってしまった。
「俺もよくわかんないけど、一旦乗った船だから、最後までやる。だから、 池内さん、お願いだよ。」
しばらく黙っていたアリサは、夕焼け空の雲を見ながら小声をもらした。

「わかった。」。

つづく

英語速読ウォーズ:(新)第八話 前置詞+名詞をカッコに入れよ

みなさん、こんばんは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

◆英語速読ウォーズ:(新)第八話 前置詞+名詞をカッコに入れよ
*18日の昼間のバージョンとは違いますので、ご注意ください

~これまでの話~
高校生のワタルは、転校生のアリサに英語コンテストの参加メンバーになってくれと頼むと、アリサは自分の一族とガマキンとの関係を語りだした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「それで、池内さんはその後どうしたの?」
「気まずくなったんで、その日は帰ることにしたんだ。」
駅前のハンバーガー屋で、俺はミユキに昨日の出来事を報告していた。

「そう。じゃぁ、今度はあたしが直接打診してみるわ。」
と言うと、カバンからルーズリーフを取り出して、英文を書き出した。

「ワタルと私はコンテストに備えて、今日から語順通りに読むための練習をするわよ。
この英文は2002年に上智大学で出された英文の一部だけど、意味はわかる?
An area of research which has received a lot of attention in many areas of education is the issue of learning styles.
辞書使ってもいいわよ。」

「こんな長い文、わかんないよ!」と俺は読む前から投げ出した。
するとミユキは、
「そうよね。どうすれば読みやすくなるか、知らないもんね
英語は語順通りに読む方が解り易いの。それで、初心者は前置詞と名詞をカッコに入れるといいわ。やってみて。」

「前置詞と名詞をカッコに入れる?前置詞はatとかinとかだよな。」
「そうね。前置詞は名詞の前に置くから前置詞よ。」

なるほど、と思いながら作業をしてみると、
「An area (of research) which has received a lot (of attention) (in many areas) (of education) is the issue (of learning styles).
あっ、語句の切れ目がわかる!意味がわかるかも!」

前置詞と名詞はセットで修飾語句の働きをするのよ。じゃぁ、意味を取ってみて。」

「An area (of research)/『研究の一つの分野は』、
which has received a lot (of attention)/『そしてそれはたくさんの注目を集めているが』、
(in many areas) (of education)/『教育のたくさんの分野の中で』、
is the issue (of learning styles)./『学習スタイルの問題です』。

そうか、わかった!『教育のたくさんの分野の中で、たくさんの注目を集めている研究の一分野は、学習スタイルの問題です』ということか。
前置詞と名詞をカッコに入れるだけで、ずいぶんとわかりやすくなるんだね。」

「そうよ。慣れてくればカッコを書かずに、読みながら区切れと意味が取れるようになるわ。練習が大事よ。」

◆まとめ
①意味の切れ目がわからなければ、前置詞と名詞をカッコでくくると見えてくる
②前置詞は名詞とセットで修飾語句になる

勉強が一段落ついて、俺たちはポテトをつまみながら、明日ミユキがアリサに声をかけることを再確認した。


つづく

英語速読ウォーズ:第七話 アリサとガマキン後編

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。
英語速読ウォーズという連載を今日も続けます。

◆英語速読ウォーズ:第七話 アリサとガマキン後編
~これまでの話~
東京の東のハズレの都立高校に通うワタルのクラス に、池内アリサという英語の達人が転校してきた。ワタルと同じ中学出身のミユキの依頼で、アリサに英語コンテストの参加メンバーになってくれと頼んだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日の六限目終了のチャイムが鳴ると、「ついて来て。」と言ってアリサは席を立ち、教室を出ていったので、俺は慌てて後を追った。
校舎を出て、体育館の前まで来ると、アリサは振り返った。
「私の祖父は戦後アメリカに行って、英語の速読を知った。Evelyn Wood(エヴァリン・ウッド)という人から速読を教えてもらった。
祖父は大量の洋書を持ち帰り、日本でも修行に励んだ。それと同時に近所の子どもや大人に、英語の読み方を教える道場を始めた。」
「祖父の教え子の中に、ひと際優秀な生徒がいた。その生徒は仲間からキングと呼ばれていたが、少しカエルに似ていたから、祖父はガマキンと呼んで可愛がった。生徒たちもいつしかガマキンと呼ぶようになった。
ガマキンは、みんなに尊敬されていた。私の父も、まるで兄のように慕っていた。
やがてガマキンは道場の師範代となり、道場の経営方針で祖父と対立するようになった。」
***
「先生、英語の速読はこれからきっとビッグビジネスになります。日本も国際化を進めています。これからの時代は、日本に紹介されていない英語の情報をイチ早く知った者が勝つようになるでしょう。だから英語を速く読める技術が必要になるのです。
この国際化の流れを受けて、大学入試の英語も、今のような難問奇問はなくなり、長文読解がたくさん出題されるようになるに違いありません。」
「ガマキン、私は英語の速読がお金に直結するから教えているのではないのだよ。たった一度の人生を目の前の現実だけに囚われるのではなくて、たくさんの本を読んで、登場人物たちと心を共にして、泣いたり笑ったりしながら、いろんな経験してみたいと思うし、みんなにもそうしてほしいと 思っているんだ。だからこの道場を始めたんだよ。」
「でも先生、速読は情報を他の人より早くキャッチできる技術です。これからはモノだけでなく、情報が売り物になる時代になるんです。だから、速読の技術自体がビジネスになるんです。」
「ガマキン、ビジネスだろうと、情報やお金だろうと、それを扱うのは人だよ。じゃぁその人を動かすものは何か?この本を読んで考えなさい。」
「先生、そんな悠長な・・・。この道場の経営だってもっと楽になるんですよ!」
「私には私のやり方がある。ガマキン、お前はもう立派な大人だ。好きにすればよい。」
***
「この半年後、ガマキンは祖父の元を去った。ガマキンの後は、父が師範代代行として道場を切り盛りした。父は祖父同様、ビジネスより英語の本を読んで心を豊かにすることを第一と考えていた。だから、現世利益第一のガマキンの始めたGaMaC English schoolに圧倒され、ジリ貧となった。」
「愛情と憎しみは紙一重。ガマキンは私たち一家を憎んだ。ガマキンはビジネスセンスが優れていて、『元祖英語速読道場』の看板を掲げて、父の道場に対して徹底的なネガティブキャンペーンを張った。」
「そして13年前、祖父の作った道場はとうとう破綻した。父は失踪した。兄たちは親戚のところへ預けられ、母と私は貧しい生活を強いられることになった。」
アリサの頬に涙がスーッと流れた。

つづく

英語速読ウォーズ:第六話 アリサとガマキン前編

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。
英語速読ウォーズという連載を今日も続けます。

◆英語速読ウォーズ:第六話 アリサとガマキン前編
~これまでの話~
東京の東のハズレの都立高校に通うワタルのクラスに、池内アリサという英語の達人が転校してきた。ワタルと同じ中学出身のミユキの依頼で、アリサに英語コンテストの参加メンバーになってくれと頼んだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

アリサにガマキン杯英語コンテストの話をしてから一週間たったが、返事はなかった。
その間毎日のように、ミユキから「池内さん、返事くれた?」とせっつかれている。
いい加減、俺もアリサがどう思っているか知りたくなったので、今日の放課後に聞いてみようと思っていた。
***
六限目終了のチャイムが鳴った。俺は後ろを振り向いてアリサに話しかけた。
「池内さん、あのさぁ、こないだの件考えてくれたかなぁ?」
「・・・。」
「ガマキン杯のこと覚えてるよねぇ。」
一瞬アリサがドキリとしたように見えたが、すぐさま「断る。」と言って、帰る支度を始めた。
何で「ガマキン」にいつも反応するんだろう?と俺は不思議に思った。
そこで、
「ガマキンだよ、ガマキン。世界のガマキン杯だよ。8億人も生徒がいるGaMaC English schoolの頂点に立てるかもしれないんだよ。」
バシッ!という快音が教室中に響いた。
と同時に、目の前に流れ星が見えた。
「キャア!」と女子の叫び声が聞こえた。

「痛ぇってぇなぁ・・・。何すんだよっ!」
と俺は叫んだような気がする。頬をさすった左手の小指に赤い液体が付いていた。
鼻血だ。俺はかなり興奮していたようだった。

「ガマキンと言ったから。」アリサは俺のことなどお構いなしのようで、
「明日、話す。」と、いつもの無感情な調子で言い残し、教室を出ていった。

「ワタル君、大丈夫?」
隣の席の大森さんが青い顔をして聞いてきた。

「あぁこれくらいなんてことないよ。ありがとう。」
礼を言って、俺はカバンに教科書を詰め込み、小走りで教室のドアへ向かった。
「ワタル君!」
大森さんの呼びかけに振り向くと、大森さんが椅子の背もたれに掛けっ放しだった制服の上着を持ってきてくれた。
アリサにぶっ飛ばされて、俺はかなり動揺していたようだった。

つづく

Wednesday, March 17, 2010

英語速読ウォーズ:第五話 倒置法「主語を正確に見つけ出せ!」

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

英語のリーディングに役立つかもしれない?連載小説の6回目です。よかったら読んでください。

~これまでの話~
ワタルとミユキの通う東京の東のハズレの都立高校に、池内アリサが転校してきた。
アリサは最初の授業で、関係代名詞について、先生顔負けの説明をした。
ワタルにアリサに英語コンテストに出場するよう説得することになった。

◆英語速読ウォーズ:第五話 倒置法「主語を正確に見つけ出せ!」
ミユキにアリサをGaMac English school主催のGaMa-King杯(通称ガマキン杯)英語リーディングコンテストへの参加するよう打診してと言われてから、3日が過ぎた。
アリサは、転校初日こそ早退したものの、それ以後は普通に授業に出席し、特に問題も起こしていない。
というか、一言も発することなく一日を終えている上、俺の後ろの席だから、存在しているかどうか、よくわからないのである。

しかし、俺もそろそろガマキン杯のことを聞いてみようという気になり、今日の放課後になったら、それとなく声をかけることにした。
* * *
放課後、俺は後ろを振り返ると、アリサが帰り支度をしていた。何度見てもつくづく美人だ。
それはさておき、俺は声をかけてみた。
「池内さん、転校初日の関係代名詞の説明すごかったね。」
「・・・。」
「それで、実はお願いがあるんだけど。」
「・・・。」
アリサは無反応なので、単刀直入に聞いてみた。
「今度、英語コンテストがあるんだけど、俺たちのチームに入って、一緒に参加してくれないかと思ってさぁ。」
「断る。」
「そんなこと言わないでさぁ、池内さんの英語、すごいじゃん。」
「断る。」
「いや、あのぅ、ガマキン杯っていう、全世界8億人の・・・」と言いかけると、
「今、ガマキンと言った?」
アリサの鋭い眼光と漂うオーラに俺は一瞬たじろいだ。
* * *
「倒置法を知っているか?」アリサは窓の外を見ながらつぶやいた。
「とうちほう?」
「目立たせるために、あえて順序を逆にする表現方法。」

アリサは英語の話をし始めた。
本来後ろにあるはずのonly~やlittleなどを、どうしても強調させたくて、文の初っぱなで言う場合。」
「only, littleが文の先頭に出て来る場合?」

「そう。これらが文頭に出てくると、後ろが疑問文と同じ形になる。」
と言って、アリサはカバンからルーズリーフを取り出し、英文を書き始めた。

「①Only in Paris do you find bars like this.
(パリでだけしか、このようなバーを見つけられないでしょう。)
疑問文ではないが、do you find~となっている。

Only if these conditions are fulfilled can the application proceed to the next stage.
(これらの条件が満たされた場合だけしか、申請は次の段階に進めません。)
疑問文ではないが、can the application proceed~となっている。」

Little did she dream that she would marry him.
(彼と結婚しようとは、彼女は夢にも思わなかった。)
疑問文ではないが、did she dream~となっている。」

「これのどこが大事なんだ?」と俺は聞いた。訳も書いてあるし、太字にもなってるから、なにを理解すればいいのかわからない。

するとアリサは即座に答えた。
主語を正確に見つけること。」

「主語を正確に見つけること?」
「そう。①の英文が通常の語順で、You find bars like this only in Paris.なら、主語がYouだとすぐわかる。
しかし①のようにOnly in Paris do you find bars like this.になっていると、doのせいで、主語がyouだとわかりづらい。」

そういうことか。主語がわからなければ意味がさっぱりわからないもんなぁ

「②もOnlyがなくて、If these conditions are fulfilled, the application can proceed to the next stage.
(もしこれらの条件が満たされれば、申請は次の段階に進みます。)という英文なら、the applicationが主語とすぐわかる。
またonly以降が後ろにあって、The application can proceed to the next stage, only if these conditions are fulfilled.であれば、主語がthe applicationだとすぐわかる。」

「そうか。でも②のOnly if these conditions are fulfilled can the application proceed to the next stage.だとcanのせいで、the applicationが主語だとはわからないもんなぁ。」
俺が関心してそう言うと、アリサはこう締めくくった。

canやdo/didの後に主語がある。」

◆まとめ
①onlyやlittleなどが文の先頭に出てくると、後ろが疑問文と同じ形式になる。
②疑問文と同じということは、can, do/didなどの後ろを見れば、主語が見つかる。
* * *
倒置法の説明が終わると、アリサは俺に言った。
「あなたは私のことを知らない。私もあなたを知らない。何も知らないのに、仲間になるわけにはいかない。」
アリサは何を言っているんだろう?

「お互いを少し知ってから、仲間として戦うことを要請するのがものの順序。あなたのアプローチは順序が逆。」
仁義を大事にする人なのかな?と俺は不思議な感覚につつまれたのも束の間、アリサは言った。

「まるであなたは倒置法。」

つづく

英語速読ウォーズ:第四話 「ワタルとミユキとアリサ」 andの使い方その2

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

英語のリーディングに役立つかもしれない?連載小説の5回目です。よかったら読んでください。

~これまでの話~
ワタルとミユキの通う東京の東のハズレの都立高校に、池内アリサが転校してきた。
アリサは最初の授業で、関係代名詞について、先生顔負けの説明をした。
その日の帰り道、ミユキはワタルに英語コンテストに出場しようと持ちかけた。

◆英語速読ウォーズ:第四話 「ワタルとミユキとアリサ」 andの使い方その2
(前回のつづき)
「ところでさぁ、『ワタルとミユキ』って英語で何て言 うか知ってる?」
Wataru and Miyuki だろ。」

「正解。じゃぁさぁ、『ワタルとミユキとアリサ』だったら?」
「そんなの、『Wataru and Miyuki and Arisa』に決まってるじゃん。」と俺は自信満々に答えた。

「へへっ、 そう言うと思った。ブブー。残念でしたーっ!」ミユキは無邪気に笑いながらそう言った。
「えーっ?違うのかよ?どこがだよ!?」俺は頭の中が真っ白になってしまった。
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「正解は、Wataru, Miyuki, and Arisaよ。
3つになるとね、A, B, and Cみたいに、最後の一個を言う直前にandを言うの。『そして最後に』ってアナウンスするみたいにね。」
へぇ、知らなかったな、と俺は関心した。
andなんて、前後の二つの言葉をつないでいると思っていたよ。」
みんなそう思っているけど、それも注意が必要よ。」

俺たちは、駅前のハンバーガー屋に入ってandの話を続けた。
andはね、文法的にも意味的にも同じレベルのもの同士をつなぐの。」
「どういう意味?」

「例えばね、この英文見て。」と言って、ミユキは英文をペーパーナプキンに書き始めた。
「洋書で見つけた文だから、習っていない単語ばかりで難しいと思うけど、

Lined with power cables and circuitry conduits(電線と電気回路の導管と並んで)
that rose from the depths and vanished into the heavens,
(そしてそれは、深淵の底から登ってきて、天空へ消えていくのだけど)
the service trench appeared to be hundreds of kilometers deep.
(軍の塹壕(ざんごう)は何百キロもの深さがあるように見えた)」
出典:"Star Wars : by George Lucas"※訳は筆者
書き終えるとミユキは聞いてきた。
「一つ目のandは、何と何を結んでいると思う?」
訳があるから簡単だ。
「電線と電気回路の導管だから、power cablesとcircuitry conduitsだ。」

「正解。power cablesとcircuitry conduitsと考えると、電線と電気回路の導管が、並んで一直線に伸びている光景が浮かんでくるわね。」
そう言われて、電線と導管が並んでまっすぐに伸びている光景が俺の頭にも浮かんできた。

「andが前後の二つの単語のcablesとcircuitryを結んでいると考えて、電線と電気回路でよさそうだけど、そうするとconduits、導管がこの文中で余っちゃうし、延々と伸びた電気回路っていうのも想像できない。そもそも電気回路ってなんだかよくわかんない。でも、線と管が並行して伸びているのならわかるわ。」
ミユキは笑顔で説明を続けた。意外と可愛いかもしれない。

「じゃあ今度は、
that rose from the depths and vanished into the heavens,
(そしてそれは、深淵の底から登ってきて、天空へ消えていくのだけど)
 このandはどう?」

「その前に、thatは関係代名詞だね。『そしてそれは』とすると語順通りに読める。」
アリサが今朝言ってたように、文が長くなればなるほど、関係代名詞を『そしてそれは』ととらえると、語順通りに読めて、楽に意味が取れる

「で、このandも、『深淵の底から登ってきて、天空へ消えていく』って訳があるから、"rose from the depths"と、"vanished into the heavens"を結んでいるんだね。」
andは文法的にも意味的にも同じレベルのもの同士をつなぐという意味が、わかった気がした。

「大正解!」ミユキは拍手してくれた!

俺はコーラを一口すすってから、
「今までみたいに、前後二つの単語のdepths and vanishedだと考えると、名詞と動詞で品詞が違うし、意味も『深淵の底』と『消えた』だから、同じレベルのもの同士じゃない。」
というと、ミユキはトレーの上に、フライドポテトを並べて二本の線を作った。

「その通り!このandは"rose from the depths"と、"vanished into the heavens"という二つのフレーズを結んで、対句みたいになってるの。これで、さっきの電線と導管は起点も終点も見えないほどの長さであることがわかるし、その二本が一直線に伸びている光景がさらにハッキリと浮かんでくるわね。」
そう言いうとミユキはもう一本の直線を作って、
「そしてこの二本と並行して、塹壕が何百キロも伸びているの。」
と言って、俺にニコッと微笑んだ。

「俺、英語に少し興味が湧いてきた気がする。ガマキン杯の件、アリサに声かけてみるよ。」
「うん、頼んだわよ。」

◆まとめ
①「AとBとCと」のように3つのものを言うときのandは、A, B, and Cとなって、最後の一個を言う直前に言う
andは文法的にも意味的にも同じレベルのもの同士をつなぐ

家に帰ってベッドに寝転びながら、今日はいつもの退屈な一日とはだいぶ違ったなぁと、俺は思った。
「アリサ、ミユキ、and 英語かぁ…。」

なにげにそうつぶやいて、俺はぷっと吹き出してしまった。

ガマキン杯予選がいったいどんな大会になるか、まだ知る由もなかった。

つづく

Tuesday, March 16, 2010

英語速読ウォーズ:第三話 「ワタルとミユキとアリサ」 andの使い方その1

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

英語のリーディングに役立つ?小説を連載し始めました。
プロローグから数えると、4回目です。よかったら読んでください。

~これまでの話~
ワタルとミユキの通う東京の東のハズレの都立高校に、池内アリサが転校してきた。
アリサは英語のグラマーの授業で、関係代名詞について、先生顔負けの説明をした。

◆英語速読ウォーズ:第三話 「ワタルとミユキとアリサ」 andの使い方その1
アリサは転校初日に、英文を語順通りに読む観点から、関係代名詞を説明した。
文法は無味乾燥としか思っていなかった俺をはじめ、クラス全員が強烈なショックを受けた。

しかし一限目が終わるとアリサは引越したばかりで用事があるらしく、早々と学校を後にした。

アリサが帰った後はいつもどおりのマッタリした一日で、六限目が終わるとどの部活にも所属してない俺はさっさと家路に向かった。

下駄箱で靴を履き替えていると、同じ中学で俺以外、唯一この高校に進学したミユキに会った。

「あぁワタル、聞いよ、転校生の池内さん。英語の天才なんだってね。もう学校中の噂よ。」
ミユキのテンションが若干高めだった。

「あぁすごかったぜ。でも冷静すぎて、なんかロボットがしゃべっているみたいだったな。まぁ不思議なやつだよ。」
「まだ慣れてないから、緊張してるんじゃないの?」
いや緊張してたらあんなに堂々と説明できないさ、と俺は思った。

「ところでワタル、お願いがあるんだけど。」
俺、ミユキとこんなに親しかったっけ?と首をかしげた俺のことなどどこ吹く風。彼女は話を続けた。

「あのね、私、英語ができる人を一人探しているんだけど、池内さんに声かけてくれない?」
「はあ?どうして俺が?俺だって、まだろくにしゃべったことないよ。」と言いかけたもののミユキは当然聞いてない。

「GaMaC Englishスクールって知ってるでしょ?」

ガマック・イングリッシュスクール?知ってるとも。日本最大の英会話スクール、いや、全世界に100万以上の教室があり、8億人が通っているというグローバル英語教室だ。

「そのGaMaCでね、6月にGaMa-King 杯リーディングコンテストっていう大会があるの。
12月に全世界から選りすぐりの生徒が東京ドームに集まって英語のコンテストをするんだけど、それの予選が来月はじめにあるの。それに参加するには一グループ3名が必要なのよ。」
「ガマキン杯予選に3人一組で出て、英語の腕を競い合うってことか。」
「そう。それで私とワタルとあと一人必要で、池内さんがいいかと思って…。」
「なるほど。ミユキと俺と池内さんか…。ちょっと待て!俺がいつメンバーになるって言った!?」
ったく、油断も隙もないというか、俺、ミユキのことだってそんなに知らないんですけど。

「あらいいじゃない。ワタルは中学の同級生だから、私の言うことは何でも聞いてくれると思ってたの。だめ?」
「だめとかそういう問題じゃなくて。」第一、中学で同じクラスになったことないんだけど…。
「じゃぁOKね。池内さんの説得も頼んだわよ!」

こんな感じで、俺はメンバーの一員になってしまった。まぁどうせ一回戦で負けるんだし、世界の精鋭とやらを見るのもいい勉強になるだろう。

◆「ワタルとミユキとアリサ」は英語でどう言う?
「ところでさぁ、『ワタルとミユキ』って英語で何て言うか知ってる?」
駅につづく線路沿いの道を歩きながら、ミユキは聞いてきた。
Wataru and Miyuki だろ。」
そのくらいは知っているぜ、馬鹿にすんなよ、と俺は思った。

「正解。じゃぁさぁ、『ワタルとミユキとアリサ』だったら?」
ミユキはニコニコしながら聞いてきた。

「そんなの、『Wataru and Miyuki and Arisa』に決まってるじゃん。」と俺は自信満々に答えた。

「へへっ、そう言うと思った。ブブー。残念でしたーっ!」ミユキは無邪気に笑いながらそう言った。
「えーっ?違うのかよ?どこがだよ!?」俺は頭の中が真っ白になってしまった。

つづく

英語速読ウォーズ:第二話 関係代名詞その2 「あぁ、そうそう、それはね」

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

今日から英語に関する小説を連載し始めました。

~これまでの話~
ワタルとミユキの通う東京の東のハズレにある都立高校に、池内アリサという美女が転校してきた。彼女は英語のグラマーの授業で、先生顔負けの解説をする。

◆第二話:関係代名詞その2 「あぁ、そうそう、それはね」
(前回のつづき)
熊沢洋二。クラスで3番、学年でも10番以内に入るキレ者。学生服の詰襟と銀縁メガネが良く似合う、典型的な秀才。

「先生、今の考え方では、The boy, whom I like very much, is Japanese.のように、継続用法、つまりコンマがある関係代名詞とどう区別すればいいんですか?」

緑川先生は答えに窮して、
「あぁ、そうそう、それはね・・・」と口ごもった。だが次の瞬間アリサが言った。
「それでいい。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
クラス全員の目が、アリサに集まった。
アリサはまた席から立ち上がり、話し始めた。

「コンマは、そこで一息ついたしるし。
The boyと言ったあとで、『あぁ、そうそう、それはね、私がとても好きな人だけど』と、言い忘れたことを付け足している。だから、緑川先生の説明でいい。」

それを聞いた先生は、引きつった笑顔で、「そ、そ、そうよね。わ、私の言うとおりよね。」と言ったが、クラスの視線はアリサに釘付けのままだ。

「①The boy whom I like very much is Japanese.と
②The boy, whom I like very much, is Japanese.の違いは、
①はあらかじめ、『私がとても好きな少年は』と言う準備をしていた感じに対して、
②はThe boyと言ってから、言い忘れたことを付け足した感じがする。」

そうか、だからこのような短い文章なら、①はThe boyからvery muchまでを一気に読んで、ひとかたまりととらえた方が、原文のニュアンスに近くなるのか。

whomは①も②もand (I like) him (very much) だから、『そしてそれは』と考えれば、英語の語順通りに理解できる。
あえて違いを出すなら、緑川先生のように②を『あぁ、そうそう、それはね』とすれば、一息ついて、付け足した感じが出る。
いずれにしても、英語を日本語にするのは困難が伴う。読んで意味がわかればそれでよい。」

これを聞いて熊沢は、左手人差し指で銀縁メガネのフレームをちょっと持ち上げて、
「池内さんの説明、僕にはよーく分かりますよ。でも、限定用法と継続用法という文法用語を使っての説明を待っている人が、このクラスにはたーくさんいるんじゃないですか?」と、薄笑みを浮かべながら言った。

クラスがざわめいた。

だがアリサはそんなことをものともせず、熊沢をバッサリと切り捨てた。
「役割がわかり、意味が取れるなら、文法用語は使わなくてよい。」

ここで、チャイムが鳴り、グラマーの授業が終わった。
久しぶりに面白い授業だった。

◆まとめ
①コンマがあっても、なくても、「そしてそれは」と理解すると語順通りに読める。
②強いて違いを言うなら、
コンマありは付け足しだから、「あぁ、そうそう、それはね」、
コンマなしは、あらかじめ関係代名詞の後の部分を言う準備していたので、一気に読んでひとかたまりで理解する。「The boy whom I like very much = 私がとても好きな少年」
③訳し方よりも、意味の理解を重視。
④役割がわかり、意味が取れれば、文法用語を使わなくてよい。

つづく

英語速読ウォーズ:第一話 関係代名詞その1 「そしてそれは/そしてその」

みなさん、こんばんは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

表題の小説の連載を始めました。
東京の東のハズレにある都立高校に通うワタルのクラスに、池内アリサという美人が転校してきました。

◆第一話 関係代名詞その1:「そしてそれは/そしてその」
池内アリサの転校後、最初の授業は英語のグラマーだった。

深緑のプラスチックフレームのメガネをかけた緑川先生は26歳の独身で、性格がよく、みんなの人気者。肩まで伸びた栗色の髪とスリムで小柄なボディには、薄いピンクのブラウスとグレーのスカートがとてもよく似合う。こんな可愛いお姉さんがいたらなぁ、とみんなが思っているに違いない。

「さて、今日は関係代名詞を学習します。まずは中学のおさらいよ。」
と言って、黒板に英文を書き始めた。

「I know the boy who likes soccer.このwhoが関係代名詞だけど、誰かこの文の意味わかる?
じゃぁ、一番後ろの、えっと、今日初めて会う、あなた。」
緑川先生はアリサを気軽にさした。が、これがすべての始まりだった。

アリサはゆっくり席を立つと、
「この程度の短い文ならthe boyからsoccerまで一気に読んで、『サッカーが好きな少年』と理解する。
しかし、我々はこのようなwhoをand heとも考えている。
すると『私はその少年を知っている。そしてその人はサッカーが好きだ。』と解釈できる。
こうすれば英語の語順通りに理解できる。
英語を日本語に訳すにはいろいろな制約があり、常に困難を伴う。」

感情も抑揚のかけらもなくアリサがこんなことを言ったので、俺だけでなく、緑川先生を含めてクラス全員がぎょっとした。

俺はアリサが言ったことの半分もわからなかったが、whoをand heとすれば語順通り読めるいうのは面白いと思った。

そう考えているとアリサは、
「それからイギリスではサッカーはfootballという。」
と付け加えた。

あっけにとられていた緑川先生も、正気を取り戻し、別の例文を書き始めた。

アリサはまた話しだした。

「①I know the book which is written in English.
whichはand itで『そしてそれは』。
私はその本を知っている。そしてそれは英語で書かれている。

②I know the boy whom I like.
whomはand (I like) himで『そしてその人は』。
私はその少年を知っている。そしてその人は私が好きな人だ。

③I know the book which I like.
whichはand (I like) itで『そしてそれは』。
私はその本を知っている。そしてそれは私が好きな本だ。

④I know the boy whose father is a doctor.
whoseはand his (father) で『そしてその』。
私はその少年を知っている。そしてそのお父さんは医者だ。

⑤I know the book whose author is Japanese.
whoseはand its (author) で『そしてその』。
私はその本を知っている。そしてその著者は日本人だ。

このように、whichやwho&whom, whoseを「そしてそれは」、「そしてその人は」、「そしてその」と考えると、英語の語順通りに理解できる

しかし、さっきも言った通り、こんなに短い文章なら、
①「英語で書かれている本」
②「私が好きな少年」
③「私が好きな本」
④「お父さんが医者の少年」
⑤「著者が日本人の本」
と、一気に読んで、ひとかたまりとする方が原文のニュアンスに近い。

だが反対に、whoやwhichなどの後ろが長くなればなるほど、「そしてそれは/その人は/その」という理解が有効になる関係代名詞はもともと「接続詞+代名詞」のことだから。」

なんて新鮮なんだ!文法を語順通りに読むことに結びつけた説明なんて、今まで聞いたがなかった。

俺はヒラメいたことがあったので、後ろを振り向いて、アリサに聞いてみた。
who, whom, whichは、どれも『そしてそれは』でいいんじゃないか?
『その人は』を『それは』としても、大差ないよね?」
「そうね。」
アリサは窓の外をながめながら、上の空で返事した。

◆まとめ
関係代名詞のポイントは2つ。
①関係代名詞は、「接続詞+代名詞」
②who,whom,whichは「そしてそれは」、whoseは「そしてその」とすれば、語順通りに理解できる。

緑川先生がたった今知った情報を太い字で黒板に書くと、別の生徒が質問をしてきた。

熊沢洋二。クラスで3番、学年でも10番以内に入るキレ者。学生服の詰襟と銀縁メガネが良く似合う、典型的な秀才。

「先生、今の考え方では、The boy, whom I like very much, is Japanese.のように、継続用法、つまりコンマがある関係代名詞とどう区別すればいいんですか?」

緑川先生は答えに窮して、
「あぁ、そうそう、それはね・・・」と口ごもった。だが次の瞬間アリサが言った。
「それでいい。」

つづく

英語速読ウォーズ:プロローグ「謎の転校生」

みなさん、こんにちは。いつも当ブログへお越しいただきまして、ありがとうございます。

今日から、このブログでは、英語の読み方が学べる短編小説を連載しようと思います。
楽しめるかどうかはわかりませんが、よかったら読んでみてください。

◆英語速読ウォーズ:プロローグ「謎の転校生」
「よっ、ワタル。おはよー。」
総武線沿いの道を、まだ夢うつつ状態で歩いていた俺の肩を叩いたのは、ミユキだった。
ミユキは同じ中学校からこの東京の東のハズレにある都立高校へ進学した、俺以外の唯一の生徒だ。
155センチくらいの小柄で痩せた、ショートカットがお似合いの、そこそこかわいい女の子だ。
俺よりも数段頭がいいのに、なんでこの高校を選んだのか、わかりかねる。

「ねぇ、あんたのクラスにさぁ、今日から転校生が来るんだってね。」
「あぁ、そう言えばそうだったなぁ。」
俺はそんなことに興味はなかった。中学とは生活が一変するのかと期待したものの、高校生活も結局、来る日も来る日も退屈だったから、学校やクラスのことには興味がなかったのだ。

「噂によると、すごい美人らしいよ。昨日の夕方、学校にお母さんと挨拶に来たところをさ、タカちゃんが見たんだって。よかったねぇ、ワタル。」
「へぇ。まぁ俺には興味はないけどね。」
いや、興味大アリだ。すごい美人と聞いて興味がないはずがない。これで退屈な日常が一変するかもしれないもんな。

まぁ、そんな感じで学校に着いた。ミユキは1年2組、俺は5組なので、下駄箱で靴を履き替えたところで、それぞれの教室へ向かった。

教室に着き、窓側の後ろから2番目の席に座り、外を眺めていると、担任の山口先生が入ってきた。

一張羅(いっちょうら)の紺の背広の山口先生の後をついてきた人物を見て、俺は息を飲んだ。同じ16歳とは思えないほど、大人の雰囲気の美人がそこに立っていた。

身長は167センチくらいの長身。細くて長い手と足。制服のミニスカートがこれでもか!というほどよく似合う。
薄紫色のキラキラ光る髪は背中のまん中くらいまでありそうだが、ポニーテールにしている。
色白の細面(ほそおもて)かつ、鼻や口が小さめで、目がひと際大きく見える。
緊張のせいか、それとも髪を引っ詰めているせいか、表情はやや釣り上がった感じで、口も真一文字に結んでいる。ツンデレであることは想像に難くない。

山口先生が彼女を紹介した。
「今日からこのクラスの仲間になる、池内アリサさんだ。じゃあ、池内さん、みんなに一言どうぞ。」
「池内アリサ。よろしく。」
ハーフ?と一瞬思った。
姉御肌の容姿にぴったりの、低いよく通る声だった。クラスの女子も、あぁ私もこんなふうになりたいわぁとでも言いたげな眼差しで彼女を見ている。

「じゃぁ、池内さんの席は、窓側の一番後ろだ。」
えっ、俺の後ろじゃん!なーんて、ここしか空いていないことは、前々からわかっていたさ。
アリサが俺の横を通り過ぎようとしたとき、目と目が合った。
アリサの鋭い視線が俺の心をぐさりと刺した気がした。

こうして、俺と池内アリサは知り合った。

Monday, March 15, 2010

23年前に買った、Star Warsを読了

みなさん、こんにちは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

◆Star Warsを読みました
Star Warsを昨日読み終えました。

学生時代に買って、その後、数回トライしました。
文中には、途中まで読んだことを示すスラッシュが、随所に引いてあります。

それを見て、そこまで読んで、力尽きてひと休みしたんだなぁと、当時の英語力をうかがい知ることができました。

ストーリーはバツグンに面白いし、展開も古典的でよいです。

◆特徴:単語が難しいが電子辞書で攻略

ジョージ・ルーカスは、映画監督なので状況描写や、登場人物の動作が詳細に書かれています。ですから、映像が頭の中で蘇ってきます。
しかし、状況や動作を表す見慣れない単語がたくさん出てきました。

今は電子辞書なので、手軽に意味を調べられますが、紙の辞書を使っていた頃は、今回ほど頻繁には調べられず、意味がわからず途中でギブアップしたのだと思います。

 ◆小説との違い:心理描写や区切れ目が少ない
状況描写に対して、心理描写はほとんどありません。登場人物の内面は書かれていないのです。

また、文章の区切りが長いです。例えば最近読んだ小説だと、3ページくらい読むと一行ブランクがあってひと休みできました。

しかし、こちらは区切りの間隔が長く、一つの章内に区切れ目が2箇所くらいしかありません。

難しい単語が続くなかで、ひと休みする場もない。

この本を長年読みこなすことができなかったのは、こんなところに原因があると思います。

◆23年たってようやく読破
この本は23年前に買ったようです。
その証拠がこのしおりです。本に挟まっていました。

「’87 時代の鼓動がきこえるか」と書いてあります。
87年というと、私は大学一年生でした。
浪人して、合格して、これから本格的に英語を勉強するぞ!と思って、洋書を読み始めた頃です。


当時はゲームの達人などのシドニーシェルダンくらいしか読める本はありませんでした。

スターウォーズも映画で有名だったから、買ったと思うのですが、先ほど言ったように、単語が難しく、途中でギブアップしたのだと思います。

23年か。
「その努力は立派だぞ!」と思いました。

Thursday, March 11, 2010

エンダーのゲーム読了

みなさん、こんばんは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

◆エンダーのゲーム読了
昨日、エンダーのゲーム(オーソン・スコット・カード著)を読み終えました。
6歳のEnder Wigginが士官学校へ送られて、そこで度重なる試練を乗り越えて、成長していく話です。

小さい子どもなのに、さまざまな苦悩を抱えて、成長してく姿がとても心に残ります。

苦悩の内容には大人の私も共感し、グッとくるものがありました。

とても素晴らしい作品です。 翻訳も出ていますので、ぜひ読みましょう!


◆口語英語で読みやすい
ファウンデーションシリーズと比べると、会話の内容が科学的でフォーマルな英語が多かったファウンデーションに対して、こちらは登場人物が軍人(教官)と子どもたちなため、口語英語が頻出で、私は読みやすかった気がします。

SFはこれを読め!:谷岡一郎著、ちくまプリマー新書
そもそも、「ファウンデーション」や「エンダーのゲーム」を読んだのは、この「SFはこれを読め!(谷岡一郎著、ちくまプリマー新書¥760+税)」を読んで、評価が高かったからです。

昨年末に、ハイペリオン・シリーズを読み終えた後、これから先、SFは何を読んだらいいのだろう?と悩みました。

というのは、SFは何が名作なのか、まるで知らなかったからです。

そこで、この本を購入して、紹介されている本を読むことにしました。

この本は、3人のSF好きが鼎談形式でいくつかのジャンルの名作を紹介し、最後に3人それぞれのランキングを公表するものです。

SF初心者の私にはとても役立ちましたし、これからも参考にしていくつもりです。

とても面白いので、みなさんにもお薦めです。

◆「涼宮ハルヒの憂鬱」を友だちに薦めた
さて、私はこれまでたくさんの本を読みましたが、もっとも強烈な読書体験だったのは、「涼宮ハルヒの憂鬱」です。それは以前、ブログにも書きました。
SFを読むようになったのも、涼宮ハルヒの憂鬱がきっかけです。

ところで、私は昨日、高校時代の同級生に会いました。
その友だちはいろいろあって、今は小説を書いているようなのです。そして内容もかなり深刻なものになるらしいのです。

そこで昨日、涼宮ハルヒの憂鬱を買って持っていって、「こういうのも読んでみたら」といって渡しました。(四十過ぎのおっさんが、これまた四十過ぎのおっさんにハルヒを渡すのはとても勇気が要りました。)

しかし内心は、どういう反応をするか心配でした。
その友だちの作品とは違いすぎるので、プライドを傷つけたり、落胆したりしないかと思ったのです。

なので、帰宅してから、私自身が涼宮ハルヒの憂鬱を読み返してしまいました。

◆多くの人の心を動かすハルヒ
すると今日、その友だちから電話がかかってきました。
開口一番彼は、「俺の小説は暗かったよ。あの小説(ハルヒ)を教えてくれて、ありがとう。」、「あの作家は、ほんとに自由に(登場人物を)書いているよな。」と、ものすごく興奮しながら、かつ大笑しながら、言いました。
「俺も、これからはああいうふうに、自由に書いてみるよ」と、ものすごく明るい声で言いました。

自分のせいでは一つもないのに、いろいろと苦労を背負い込みすぎたアイツが、あんなに嬉しそうに話しているのを聞いて、ハルヒの人の心を開かせるパワーに、私はジーンとしました。

ハルヒは、ほんとに多くの人に多大な影響を与えることを再認識しました。

◆ハレ晴レユカイ

Tuesday, March 9, 2010

涼宮ハルヒの消失から学ぶ2つのこと

みなさん、こんばんは。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

◆涼宮ハルヒの消失をまた見に行った
昨日、就職面接と実技を受けたので、今日は休みということにして、涼宮ハルヒの消失をまた見に行きました。これで2回目です。

先週の水曜日くらいから行こうと思っていて、今日実現しました。
5日金曜日に就職面接があり、それは11月以来のものだったので、数日前から緊張しっぱなし。
そこで、涼宮ハルヒの消失を見て、長門有希からパワーをもらおうと考えていました。

でも、結局行けず、金曜日の面接と実技で大失敗。
その厄払いと思って、土曜日に行こうと思いましたが、それも叶いませんでした。
しかし、日曜日の面接と実技は上手くいったため、疲れた心身を癒すため?今日ついに行ってきました。

◆2つの学び
涼宮ハルヒの消失を見て、2つのことを学びました。

1つ目は、涼宮ハルヒから学ぶリーダー像です。
涼宮ハルヒは超ワンマンです。
自分が楽しむことしか考えていません。
部下はしぶしぶついてきますが、いなくなると自分自身の存在価値も危うくなるほどの、カリスマです。
そして、部下が自分をどう思っているかはお構いなしですが、部下を愛しています。


私は涼宮ハルヒの部下にはなりたくないですが、リーダーや会社社長になるとしたら、涼宮ハルヒタイプを目指します。
エネルギーとけん引力、行動力、どれをとっても素晴らしいリーダーです。

2つ目は、アニメの技術革新の凄さです。
アニメはきっとヤマトやガンダムから高学年以上向けになったのでしょうが、30年くらい興味がなく、せいぜい見たとしてもルパン三世の映画版とか、ちびまる子ちゃんくらいでした。
だから昨年YouTubeで涼宮ハルヒの憂鬱のGod Knowsを見たとき、度肝を抜かれたどころか、人生観が一変したのです。

その理由は技術革新でした。
今日も映画を見ながら、アニメの最新技術の粋を集めたような作品だなぁと関心しました。

◆素晴らしき、技術革新
技術革新 ―― 私はこのために生まれてきたようなものです。
今よりももっとよい製品、サービス、仕組み、やり方は必ずある。
ちょっと見方を変えるだけで、まったく違う結果にだってなり得る。
だから、それを求めて、考え、考え、考え抜いて、実践し続ける。

あ~、そうなんだよ。技術革新。

涼宮ハルヒに惹かれるのは、技術革新を思い出させるからなんだよなぁ。